日清製粉 新工場を水島地区に 大型臨海工場比率9割超に

日清製粉は、岡山県倉敷市水島地区に新たな製粉工場を建設すると発表した。総工費は約140億円。23年1月ごろに着工し、25年5月からの稼働を目指す。またこれに合わせて岡山工場(岡山市)と坂出工場(香川県坂出市)を閉鎖することも決めた。

新工場は2ラインで、1日当たり550tの生産能力がある。小麦サイロ収容力は4千200t、立体自動倉庫には20万袋(5千t)を収容できる。新工場建設は、国内においてグローバル競争に勝ち残ることを目的としたもの。

新工場の取得用地は大型穀物船の接岸が可能な穀物サイロ会社(瀬戸埠頭)に隣接しているため原料小麦の調達が優位で、瀬戸大橋にも近いことから四国への製品輸送も容易となる。

これまで中四国地区は大型穀物船が接岸できる小麦サイロと直結しておらず規模も小さい岡山工場、坂出工場の2体制だったため、ローコストオペレーションの構築が課題となっていた。関東、関西、九州地区に続き中四国地区でも大規模臨海工場への集約が完了することで、大型臨海工場比率は現在の83%から92%に上昇する。

新工場はこれまで培ってきた技術に最新の自動化とデジタル技術を融合させた機能をもち、環境配慮型で自然災害にも強い特徴の設備になるという。

日清製粉グループ本社では「今回の施策によりコスト競争力を強化するとともに、地震などの万一の被害に備えてBCP対応を強化することにより、主要食糧である小麦粉の安定供給を実現する」としている。