豆乳 連続成長へ正念場 春夏失速も「今でしょ!」が追い風に 

豆乳(調製豆乳・無調整豆乳・豆乳飲料)の連続成長に黄信号がともっている。豆乳生産量は、健康志向の高まりを受けて09年から20年まで12年連続で前年を上回り、11年からは10年連続で過去最高を更新。この10年間で生産量は倍以上に膨らみ、20年には前年比5.3%増の43万534㎘を記録した。しかし今年は、コロナ禍の巣ごもり需要で伸長した前年の反動もあり、マイナスのスタートとなった。

今年1-6月の市場は販売量約5%減、金額約4%減と推定、春夏はダウントレンドで推移していた。こうした中で追い風となったのは、先月14日に放映されたテレビ番組「林修の今でしょ!講座」。番組では、健康に役立つ3大ミルクというテーマで牛乳・豆乳・アーモンドミルクを紹介。その影響を最も受けて跳ね上がったのがアーモンドミルクだが、豆乳市場も恩恵に浴している。

まず、豆乳トップシェアのキッコーマン飲料が沸いた。キッコーマン飲料の荻生康成チルド営業本部営業企画部企画グループ長は「番組では興味喚起とともに『試してみよう』という内容がかなり含まれていたこともあり、豆乳休眠層や豆乳をまだ飲んだことのない層がかなり手に取ってくださった」との見方を示す。

売れ方としては、調製豆乳・無調整豆乳・豆乳飲料のサブカテゴリーが万遍なく売れており、アーモンドミルクも紹介されたことから、豆乳飲料の中ではアーモンドフレーバーがひときわ大きな伸びになっているという。番組の影響力に加えて、20~30代男性の新規ユーザーが増加していることにも期待を寄せる。「デジタルマーケティングをスタートさせたあたりから、以前はほとんど皆無だった20~30代男性が増えてきている。トライする買場としては、品ぞろえが充実しているスーパー・量販店が多いと推定している。豆乳に苦手意識のある人は豆乳飲料を、豆乳の健康価値に着目される人は調製・無調整の『白もの』をいきなり手にするケースもある」と述べる。

二番手のマルサンアイは春夏、市場が足踏みする中、1Lの大容量と無調整豆乳が牽引し、プラスになった模様。そこへ番組が放映され「非常に追い風になった」とマルサンアイの一瀬浩伸開発統括部マーケティング室副室長は手ごたえを示す。

同社で一番伸びたのはアーモンド飲料で、続いて豆乳が調製・無調整・豆乳飲料のすべてのカテゴリーで伸長。放映から2週間後の状況については「アーモンド飲料と比べると落ち着いてきたが、一定の効果はもうしばらく続くとみている」。

秋冬に向けて、同社が注力するのは9月1日にフルリニューアルした国産プレミアム大豆使用の「ひとつ上の豆乳」シリーズ。新たに新品種の大豆を使用し、コクはありながらもさらっとした味わいを実現した。

「一回盛り上がる点」が差別化ポイントで、浅野悦子開発統括部マーケティング室ブランドマネジメント課課長は「口に含んだ最初の印象はとてもクリアだが、大豆由来の甘みやうまみが際立ってくる。余韻がスッキリしていて、滑らかな飲み心地。途中の味わいの盛り上がりがすごいのでプレミアム感を味わえる仕立てになっている」と説明する。

スジャータめいらくは、「豆腐もできます有機豆乳」(900㎖)で「豆腐作りや料理を楽しんでいただくことを目的に、パッケージににがりやだしの素をつけた企画商品を数量限定で出荷している」(同社)。番組の影響については「放映直後から物量増の影響があったが、しばらくして落ち着いてきている」という。