みそ原料高騰に危機感 安定経営維持に懸念も 全味工連が会員へ情報発信

みそ市場が需要減少に見舞われる中、みその主原料である大豆は昨年後半から輸入大豆・国産大豆を問わず需給が非常にタイトな状況となり、価格が大幅に高騰している。このような中、全国味噌工業協同組合連合会は製造コストの大幅上昇について執行部として共通認識し、これらの状況に今後十分配慮して事業対応するように会員へ情報発信していく。

みそ業界ではコロナ禍での業務用市場の低迷から売上減少が深刻となっている。業界全体の今年8月末出荷量は前年比3.4%減、19年比で6%減となり、業務用はさらに減少幅が大きい。

一方で、製造原価の上昇も深刻だ。北米大豆は昨夏以降、シカゴ大豆相場が急上昇し、現在も高値圏にある。8月の平均価格を比較すると前年比で約51%も上昇している。

みその原料大豆は、すべてNon-GMO大豆を使用しているが、京浜相場を見ると、昨年8月以前はt当たり8万8千円~9万6千円だったが、今年8月時点で11万円~11万8千円と25%程度上昇している。また、Non-GMO大豆栽培のためのプレミアムも年々上昇していることから、原料大豆の価格は高値で推移することが見込まれる。

国産大豆は不作の年が続いたこともあり、20年産普通大豆累計の平均落札価格が前年産比9.9%増、前々年産比24.5%増と上昇している。また、原油価格の高騰から、燃料費、配送費、容器・包装費など諸経費の値上がりも重なっている。

みそは日本の食卓に欠かせない重要な食品であり、そのためメーカーは品質を保ちつつ求めやすい価格をできる限り維持してきた。そのことは「大豆危機」と言われた前回08年のみそ各社の価格改定が実に18年ぶりだったことにも表れている。

今回の原料価格高騰の経営環境から現在のままの販売状況を続けていけば企業の安定的経営を維持していくことが困難となり、供給に支障をきたす恐れが生じると業界では懸念されている。