「発酵検定」11月開催 日本食文化の伝統継承へ

一般社団法人日本発酵文化協会は11月28日、東京会場とオンラインで第4回発酵検定を開催する。

発酵検定とは「発酵食品の基礎知識を学びたい」「発酵食品を家で簡単に作ってみたい」という多くの声に応え18年に誕生した。発酵食品の種類、発酵の期間、効率的な食べ方、選び方、正しい保存方法など、日々の生活に密接しているみそや醤油などの発酵食品の知識を学び、より健康的で豊かな生活を送り、日本の発酵文化の普及・継承に貢献することを目的とし農林水産省も後援している。また、合格者は同協会から「発酵文化人」として認定される。

日本発酵文化協会の横山貴子理事長
日本発酵文化協会の横山貴子理事長

同協会の理事長横山貴子氏は約25年前から飲食店を経営し、11年前に発酵食品をメーンにした飲食店をオープン。発酵食品についてなんとなくの感覚で摂取している人が多いことに気づき、発酵食品について正しい知識を発信しようと昼間は教室、夜はレストランとして営業した。その約1年後に東日本大震災があり、消費者の食に対する安心・安全の意識や自ら発酵食を作りたいという意識の高まりから教室の受講者が急増、教室だけでなく日本の食文化である発酵食をより多くの人たちへ継承しなければいけないとの思いから、12年に同協会を設立した。

コロナ禍でさらなる健康意識の高まりから、第1次塩麹ブーム、第2次甘酒ブームに続く第3次発酵食品ブームがきている。藤本上席講師は「ブームにとどまらず、発酵検定を通して正しい発酵の知識を学んでほしい」と語る。

日本発酵文化協会は発酵検定のほかに、発酵食品の魅力を伝え伝統的食文化を継承する「発酵マイスター」や、発酵菌学・発酵栄養学など、より専門的な知識を有する「発酵プロフェッショナル」の資格制度、発酵食品の基本講座、専門家を講師に招いた特別講座、実習がメーンのワークショップなどの活動を続け現在では約6千人の会員を持つ。

横山理事長は、食品業界の特に発酵に関わる人たちへ「発酵の知識をさらに強化し、商品開発に役立て、商品を通して伝統食を継承してほしい」と語った。