マルサンアイの植物性ヨーグルト「豆乳グルト」シリーズは、10年4月の発売開始から10年連続で伸長し、21年2月までの累計で3千300万個の出荷を突破した。
「豆乳グルト400g」と「国産大豆の豆乳使用 豆乳グルト400g」の2品のうち、近年は「国産大豆」が成長を牽引している。
一瀬浩伸開発統括部マーケティング室副室長は「全体的に間口(喫食層)も奥行き(喫食頻度)も広がっている。配荷状況は2品のうち『国産大豆』が非常に進んでいる。『国産大豆』の課題は、価格に見合う価値を消費者に伝えていくことにあり、そのことをプロモーション含めて取り組んでいく」と語る。
販売チャネルとしては、スーパー・量販店の小売に加えて宅配や通販も好調だという。
全般的な好調要因について、浅野悦子開発統括部マーケティング室ブランドマネジメント課課長は「豆乳市場の近年の成長と連動していることと、植物性素材への関心の高まりが挙げられる。この流れに対応すべく、供給体制を整えて全国に行き渡るようにしたことも大きい」との見方を示す。
「豆乳グルト」シリーズの大きな特徴は、原材料が100%豆乳である点にある。「『豆乳グルト』は乳アレルギーのお子様を持つお母様の声から生まれた商品。試行錯誤を繰り返して発売までに20年くらい要した。植物性素材の乳酸菌で発酵させて、添加物を使わずに豆乳オンリーで勝負しているところを強みとしている」(浅野課長)と胸を張る。
植物由来の乳酸菌も特徴で、長野県木曽地方の伝統発酵漬物「すんき漬け」から発見された「植物由来の乳酸菌TUA4408L」を使用している。「日本人が長年慣れ親しんできた食品から分離したものなので、日本人のおなかになじみやすく、また豆乳をとろ~りおいしく発酵し、豆乳中の有効成分である大豆イソフラボンを吸収しやすいアグリコンに変換するので、豆乳ヨーグルトに適した乳酸菌と言える」という。
これらの特徴をより分かりやすく訴求するため、「豆乳グルト400g」のパッケージを刷新し、4月上旬から新デザインに切り替えて出荷している。
パッケージリニューアルでは、「植物由来の乳酸菌」を大きく配置し「乳成分不使用」「大豆イソフラボン」「コレステロール0」の文字を色付きのアイコンで強調した。
パッケージ全体の基調についても、ナチュラルかつ清潔感のあるデザインにして「豆乳グルト」の健康的な商品イメージを表現している。
また、秋冬に向けては10月からキャンペーンを展開している。
今後の発展の可能性について「非常に大きいと考えている。相次いで競合商品が発売されているのも、植物性ヨーグルトに可能性を感じられているからで、まだまだ伸びるとみている」(一瀬副室長)と語る。
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