平安貴族の癒しは

家にいる時はトイレと入浴のわずかな時間を読書タイムにあてている。最近読んで面白かったのが「平安貴族 嫉妬と寵愛の作法」。源氏物語に枕草子、和歌や蹴鞠など雅で風流な時代と思っていたが、その思い込みが見事に覆された。

▼王朝貴族たちはピラミッド社会にあって激しい出世レースを強いられた。努力すれば昇進の見込みもあったが、藤原道長の時代になると縁故癒着が当たり前に。女性貴族は教養を身に付け、皇家や上流貴族から寵愛を受けられるよう努力を重ねた。

▼優雅な暮らしの裏には妬みや嫉みがあふれており、紫式部は初出仕の日から職場イジメの洗礼を受けた。穏やかなイメージの王朝貴族は粗暴な面もあり、集団リンチや邸宅の破壊、殺人を犯す者もいて、なかなかバイオレンスな時代だ。

▼仕事柄、やはり食事が気になる。平安時代の食事は朝、夕の2度。うるち米を蒸した「強飯」が主食で、普段から器に大盛りにして食べた。肉、魚、野菜などのおかずに汁物、果物や菓子なども味わっていた。粗暴な平安貴族も甘いもので癒やされたのだろうか。