百貨店の新たなチャレンジ

かつて西日本最大級の食品売上を誇った大阪の阪神梅田本店が先週、7年間の歳月を経て、建て替えオープンした。新店舗は全体の3割を食品フロアで占め、百貨店の顔にあたる1階部分には体験型食品売場を展開した。

▼ネット通販の普及や新しい生活様式により自宅にいながら商品を購入する機会が増えている。そのなかで百貨店に足を運んでもらうためには、モノだけでなく価値提供も必要不可欠になってくる。同店ではお客とのファンコミュニティを築くため、バイヤーなど110人によるナビゲーターを結成。SNSを通して個人対個人として対面し、店をより身近に感じてもらう狙いだ。

▼ただ、懸念されるのが情報リテラシーの部分。まだまだ個人感覚に頼るものが大きく、専任チームで一つのアカウントを運用する場合に比べ、発信者が増えるほどバラエティに富んだ内容になる反面、ブレ幅が大きくなる。慎重になりながら正しい情報を伝えるために、企業の管理徹底が求められる。ましてや社員個人の名前が表に出る場合は細心の注意が必要だ。

▼リスクも孕むが、うまく活用できれば新たな集客を生む。時代に合わせて生まれ変わろうとする姿勢を評価しながら、チャレンジを注視していきたい。