食品輸出実務と実践塾 Eラーニング開始に向けて③ 直接貿易と間接貿易のメリット・デメリット グローバルセールス 山崎次郎

私は自社サイト「食品輸出の学校」で食品輸出の基礎知識を記載し、noteを使って記事を連載していたが、閲覧が圧倒的に多いのは『直接貿易と間接貿易のメリット・デメリット』だった。

「誰に売る」の回答は、「国内輸出商社=間接貿易」あるいは「海外の輸入食品販売ディストリビューター=直接貿易」に売るということ。その2か所に売ることに取り組めばよい。

国内輸出商社は、ジェトロのサイトで仕入担当の電話番号もEメールアドレスも公開されているので、売り先は非常に簡単に見つかる。

さらに、サイトでは出していないが「海外の輸入食品のディストリビューターリスト」も存在しており、ジェトロからリストをもらえれば海外の売り先も簡単に見つかる。

国内の輸出商社、海外のディストリビューターは現在、商品を必死に探している。海外に日本製品の購入希望者はたくさんいるからだ。それでも輸出金額が伸びないのは、海外では販売できない商品ばかりで営業しているから。販売期限が非常に短く、海外では使用が認められていない食品添加物で作った加工食品ばかりだからである。

「どうやって売るか」に対する回答は、間接貿易ではジェトロのサイトに記載してある輸出商社に営業することだ。直接貿易の営業方法は4つある。「BtoB EC」「紹介」「飛び込み営業」「展示会」この4つを組み合わせて営業をする。

「BtoB EC」はアリババを活用する企業もあるが、ジェトロのJAFEXは無料なのでぜひ活用したい。問い合わせに対応できないので、前回お伝えした9つの準備が終わってからの営業スタートをお勧めする。

「紹介」はジェトロの有効活用が一番良い。六本木のジェトロ本部で、対象国の担当者に直接販売先を紹介してもらう。ほかにもメガバンクやコンサルタントの紹介を受ける方法もある。次に「飛び込み営業」が一番効果の出る営業方法。現在、海外出張するのは難しいが準備を進めておくには良いタイミングだ。「展示会」は準備が終わった食品メーカーにだけはお勧めできる。

以上の営業方法を理解いただいた上で直接貿易と間接貿易のメリット・デメリットを説明する。

間接貿易のメリットは、手間がかからない上に、魅力的な商品を開発できれば一気に多くの国に販売できる。換言すれば効果が出やすい。デメリットは輸出商社が間に入るのでマージンが発生する、また国内の横持代金が発生することが多いため、ディストリビューターの仕入値および現地店頭価格が高くなる。結果として数が売れなくなる可能性がある。

一方、直接貿易のメリットは、ディストリビューターの仕入値が下がり店頭価格も下がるため数が多く売れる。さらに売り先と直接交渉するので販促計画も立てやすい。デメリットは事前作業(FOB価格、C&F価格の見積もり作成・英文の輸出取引契約書の作成・食品添加物の事前確認・輸出書類の作成など)が増えること。貿易業務の一部(フォワーダーとの船便手配調整・輸出書類の作成・海外与信管理・海外売掛取引管理)を自社対応する必要があることだ。すべて自社対応する必要がある。

それぞれメリット、デメリットがあるが、本格的に輸出に挑戦するなら両方取り組む必要がある。その際大切なことは代理店政策である。魅力的な商品を開発すると食品輸出商社もディストリビューターも代理店になりたがる。しかし、代理店政策を誤ると自由に海外に輸出できなくなる。注意が必要だ。簡単に言うと直接貿易する国、間接貿易する国を最初に決めた上で、一定の販売数量を輸出できた場合のみ代理店とすることだ。ただし、中国と米国は市場が大きいので、1社だけを販売代理店にしないようにすることが望ましい。

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