フジの食品スーパー(SM)「フジ四国中央店」を核店舗としたショッピングセンター(SC)「イオンタウン川之江」が18日、愛媛県四国中央市にリニューアルオープンした。
5万1000平米の敷地に既存5店舗のほか、四国初出店のドラッグストア「ウエルシア」など11店舗が新たに開業。
総賃貸面積1万628平米の小商圏型ショッピングセンター(NSC)で、824台分の駐車場を備え約2万1000世帯、4万8000人(車10分圏内)を主なターゲットとする。
フジがイオンのSCに出店するのは今回が初めて。
イオンタウンの加藤久誠社長は「地元をよく知るフジと連携することで、これまでイオンにはなかった新しいことを進めていきたい」と期待を示す。

こうした考えを具現化するものの一つとして挙げられるのが、フジの一角に設けられた産直市場「エフ・マルシェ」だ。
同社が12年に1号店となる古川店(松山市)を開店。今回が3店目だが既存2店は単独店であり、SMの店舗内に開いたのは初めてとなる。
生産者が農産品や加工品を持ち寄って販売。売場には里芋「伊予美人」とそれを材料にしたコロッケ、「バターナッツ」という名前のカボチャのほか、地元のキクラゲや白なすなど一般のSMではあまり目にすることのない野菜が並ぶ。
加工品では甘夏や清見、ゆず、青レモンなど、愛媛らしく多様な柑橘類を原料にしたマーマレードやジュースが目を引く。
また、オリジナルブランド「三ツ星マルシェ」として、柑橘ジュースやじゃこ天を商品化している。18年の西日本豪雨で甚大な打撃を受けた農家を救済するため、商品として出荷できなくなった果実をジュースにしたのがきっかけだ。この秋には新たに甘酒の発売を予定する。
マルシェ事業運営部の寄川豊和部長は「SMが日常的な空間とすれば、マルシェは非日常的な要素をもった場所。通常のSMではお目にかかれないような商品が並ぶ。今回は初めてのSM店舗内への出店で、さらにイオンのSCへの出店でもある。この店での成功事例をほかの店で展開するなど、新たな可能性を探っていきたい」と意気込む。
フジの山口普社長は「地産地消のほか地域産品をもっと広域に展開する地産多消についても、経営統合の中で推進したい」と話している。
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