パッションフルーツ由来の「パセノール」 脂肪燃焼で機能性表示 森永製菓

森永製菓は14日、機能性表示食品対応素材「パセノール」の機能性関与成分「ピセアタンノール」に、新たに安静時や日常活動時の脂肪燃焼作用があることを見いだした。

「パセノール」はパッションフルーツの種子の抽出物で、同社の独自素材。ピセアタンノールが長寿遺伝子と言われるサーチュイン遺伝子に働きかけることから、アンチエイジング素材として注目されている。今回確認された知見により、機能性表示食品では「安静時や日常生活時の脂肪消費」「肌の潤いを守る」「肌の弾力を維持」といったトリプルヘルスクレームが可能となった。

新たな脂肪燃焼に関する試験は20~40代の男女9人を対象に実施。安静時と日常活動レベルの運動時の呼気ガスを測定して、脂肪の燃焼割合の変化をプラセボと比較した。この結果、「パセノール」(ピセアタンノール10㎎/日)摂取7日後はプラセボ摂取7日後と比較して、安静時や日常活動時を問わず脂肪消費量が上がることが分かった。安静時に関しては、「パセノール」を摂取した人で脂肪の平均消費量が3割以上上昇していた。

「パセノール」は粉末とゼリーや飲料に使える液体の2種類。ピセアタンノール含量は粉末が3.5%以上、液体が0.4%以上で規格化している。16年に市場投入してからはサプリメント素材、化粧品素材として展開しているが、今後は菓子や加工食品への提案にも注力する構えだ。

発表会で森信也取締役上席執行役員は「森永製菓グループは2030年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わる」とビジョンを披露した。

そのうちの顧客に向けた取り組みとして、「『心の健康』につながる情緒的価値(幸福感)を科学的に解明し、顧客満足度を向上」「『体の健康』の代表である『in』をウェルネスカンパニーの象徴としてさらに加速へ」「『心の健康』から『体の健康』へ進化することで付加価値向上(たんぱく質増量や機能性表示食品の届出を積極的に行う一方で、砂糖使用量を削減するなど)」といった具体策を紹介した。