価格高騰の今だからこそ

今年の中秋の名月は8年ぶりに満月を拝めた。月見の風習は中国から9世紀頃に伝えられたようだが、以降わが国では直接拝むだけでなく、水面に映った月影を楽しむなどさまざまな楽しみ方で中秋の名月を過ごしてきた。中秋の名月には月見団子とススキを供えるのが決まり。

▼いずれもその年の収穫を感謝する意味だが、今年は天候要因もあり葉物野菜などの収穫に変化が生じている。レタスは病害の発生などで昨年同時期比2・8倍になったと聞く。先日覗いたスーパーで白菜一玉が1千円で販売されていて驚いた。

▼秋に入り鍋物が恋しくなるシーズンだけに衝撃だったが、価格が高騰するからこそ収穫に感謝しながらおいしくいただけばよいのかもしれない。高いから買わないのではなく高いからこそ感謝していただく。

▼青果だけではない。この秋はコロナ要因を含め小麦粉をはじめとする原料価格の高騰が続いている。メディアは値上げを喧伝し買い控えを煽ることが多いが、本来、食品の価値観や価格改定の背景をきちんと伝える姿勢が最も必要だ。満月を眺めそう思う。