タイ鶏肉加工品休売相次ぐ 原料、労働力不足で現地生産が停滞

タイで生産される鶏肉加工品の休売が相次いでいる。タイ国内で新型コロナウイルス感染症の拡大が続いている影響だ。また、世界的なコンテナ不足による輸送の遅れも悪影響を及ぼすと懸念されている。

タイでは一日当たり1万人を超える感染者数が続き、入国制限も継続されていることから、工場の外国人労働者が不足しており、また原材料の確保も不安定な状況で、工場稼働率は低下している。

ニチレイでは、タイに拠点を持つGFPTニチレイ(タイランド)が生産を1週間ほど停止。既に再開したが、周辺諸国からの労働力が不足している状態。そのため一部商品を休売して、主力の生産に資源を集中させている。

味の素冷凍食品も家庭用・業務用の一部、から揚げ類などを9月中旬以降、在庫状況に応じて休売するという。コロナ禍の影響で原料供給が不安定になり、また工場の安定稼働が確保できなかったことが原因だ。原料供給や稼働は回復に向かっている。

ただ、ある業界関係者は「タイのコロナ状況について予測は難しく、簡単に状況は改善しないだろう」とみる。

これに拍車をかけているのがコンテナ不足だ。コロナ禍による港湾閉鎖などで需給が逼迫。到着遅延だけでなく、輸送自体ができなくなっている例もある。さらに、欧米諸国でコロナ規制が緩和されて需要は増大。4月のスエズ運河座礁事故や原油相場上昇の影響もあって、21年上期のコンテナ相場は19年下期に比べて3~6倍程度に上昇、「影響は大きい」(輸出支援企業)という。ワインなどの一部休売も始まっている。

工場の稼働が回復しても輸送の遅延などが生じれば供給が滞る場面も予想され、相場の上昇は頭の痛い問題となることから、関係者たちは事態を注視している。