家庭の使用済みペットボトル いつでも出せてポイントたまる キリン×ローソンが実証実験

家庭にたまった空の使用済みペットボトル(PET)を出したい(分別排出)ときに出せて、ポイントもたまる仕組みが、キリングループ(キリンホールディングス・キリンビバレッジ)とローソンで実証実験されている。プラスチック循環社会の実現に向けたPET再利用の循環促進が目的。7月15日、ローソン横浜新子安店(神奈川県横浜市)にキリングループが独自開発した「ペットボトル減容回収機」が設置された。

この日、同店で発表したキリンビバレッジの大谷浩世企画部担当部長は「24時間営業のコンビニの利便性の強みとキリンが開発した回収機や自販機オペレーションによる効率的な運搬をかけ合わせて消費者が使用済みPETをリサイクルにまわしやすい環境を整えていく」と語った。

回収機は、家庭からの持ち込みを想定し、小サイズに留まらず大サイズまで回収できるのが特徴。

具体的には100㎖から2ℓまでの容量で、ラベルとキャップを外して中をすすいだPETが対象となる。

回収機では、キャップ部分を下に向けて穴にセットして1本ずつ圧縮していく。

PETを収集し営業車に積み込む東京キリンビバレッジサービスの従業員
PETを収集し営業車に積み込む東京キリンビバレッジサービスの従業員

その前に、Pontaカードのバーコードを読み込むか否かを選択し、読み込む場合は5本につきPontaポイントが1ポイント付与され、読み込まない場合は5本につき1円がローソン緑の基金(国土緑化推進機構)へ寄付される。

回収機は100本程度収容でき、いっぱいになるとローソン従業員が袋を交換する。

これにより生活者は24時間いつでも出したいときに使用済みPETを出せるが、実証実験ではその持ち込み量も注視していく。

「多数お持ち込みになられると、頻繁に袋を交換しないといけなくなりお店の運営に支障をきたす可能性がある。コミュニケーションや適切なロケーションなどを確認しながら調整していきたい」という。

回収機の設置は、年内に1店舗から5店舗に広げ、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案が施行される22年には、20~50店舗への拡大を思い描くが、当面はスモールスタートを決め込む。

「量が一気に増えてしまうと、それにあわせて受け入れ体制も引き上げなければならずコストがかかってしまう。したがって自然な形で徐々に増えていくのが理想で、実証実験では自然にどの程度集まるかもみていく」と述べる。

回収機に集められたPETは、キリンビバレッジの子会社・東京キリンビバレッジサービスの営業車が収集しリサイクル工場へと搬入される。

効率的な運搬は、回収機でPETを圧縮(減容)し営業車の積載効率を改善することで実現していく。

圧縮した容器について説明する大久保辰則氏(キリンホールディングス)
圧縮した容器について説明する大久保辰則氏(キリンホールディングス)

「減容率は高め過ぎると重厚な設備になることから、回収機の汎用性も考慮して65%とした」と、キリンホールディングスの大久保辰則R&D本部パッケージイノベーション研究所主務は説明する。

一方、ローソンとしては環境対応の推進とともに顧客接点の拡大に期待を寄せる。ローソンの有元伸一SDGs推進部長は「このような取り組みを通じてお客様との会話が生まれることが結構ある。店頭募金も、その目的などをお客様にしっかり説明できると固定客になってくださったりする」と述べる。

将来的にはローソン全店での回収機設置を目指し、実現すれば顧客接点のさらなる拡大も見込める。

「ローソンには1日700~800が訪れ、約1万4千店舗との掛け算で会話ができることから広告宣伝よりも広がりやすい。メーカー様や商社様は、デジタルではなく、われわれのお客様と直に対話できる場面を大切にしてくださるので、そのような拠点になればいいという思いがある」と語る。