チルド麺の菊水 本州で販売比率上昇 営業強化策が奏功 種村洋一郎社長に聞く

チルド麺市場は巣ごもり消費の反動で4~5月は前年比80%台で推移したが、以降は回復基調にある。同社は、「日本最大のローカル」である北海道を強みに、道内と本州それぞれの商品・販売戦略で成果をあげ、4~7月累計は前年並みで推移している。種村洋一郎社長に近況を聞いた。

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――前3月期業績は。

種村 全社売上高は前年より増加した。北海道地区はトータルで104%。ラーメン群107%、そば群108%、スープ群114%となり、これらの分野の商品が牽引した。一方の本州地区は全体で117%。ラーメン群117%、スープ129%が大幅に伸びた。商品別では、人気店の味を再現した「名店」シリーズが最も伸びた。コロナ禍で外食機会が減り、家庭でプチ贅沢をしておいしいラーメンを食べたいという需要が増えたと分析。当期の市場シェアは、チルド麺全体で5・6%、生ラーメン群では11.2%になった。

――本州の伸び率が高い理由は。

種村 北海道に比べて市場に秘めるポテンシャルが大きい。本州はこの5年で売上高が10億円伸び、NBのみの販売シェアでみると、北海道4割に対して本州が6割近くに達した。菊水の道内市場シェアはラーメン群4割、そば群6割に上り、これ以上伸ばすのは難しいが、本州はまだ拡大の余地が残る。当期もその潜在能力を発揮したほか、営業面でも伊藤ハム米久ホールディングスのグループシナジーに加え、自社の各営業所で販売拡大に取り組んだことが功を奏した。

――コロナの影響、その反動はありましたか。

種村 前年度の第1四半期では製造、販売面でプラス15~20%程度となり、その裏年である今年4~5月は反動で苦戦。6~7月は好天候のおかげで売上を取り戻し、4~7月累計で前年並みにまで回復した。ただ、今年度前半のラーメン市場はまぜ麺、つけ麺が大幅に伸び、当社としては弱い分野だったために苦戦。生産体制においては、昨年の混乱時や今年7月の好天候続きの際には、24時間稼働して全社をあげて対応。特に7月は過去最大の生産量となったが、欠品することなく供給できた。

――今年度の方針は。

種村 お客様の食生活は大きく変化しており、家庭での食シーンやニーズに合わせた商品開発、食品ロスや環境に配慮した企画を、長期的な視点で取り組んでいきたい。

――原料小麦や資材関連、人件費などが高騰していますが対応策は。

種村 秋からの小麦粉の値上がり、最低賃金の値上がり、重油などの高騰と当社として歓迎するものは一切ない。そのなかで新商品を中心に売上アップ、ムリムダムラを排除した生産効率のアップに努める。

――コロナ禍により地域とのかかわりに変化はありますか。

種村 引き続き継続して北海道の小麦やそばなど原材料、江別地域との取り組みはしっかりとやっていく。具体的にはウポポイ(民族共生象徴空間)と連携した商品「知床ざるそば」「えべチュン寒干しラーメン」などや、江別小麦を100%使用した新商品「えべチュン生ラーメン」(同市先行発売)に取り組んでいる。

――中長期の見通しと、新工場の建て替え計画について。

種村 混沌とした世の中だが、慎重に見極めてその時のベストを尽くしたい。新工場はコロナ禍の販売動向の波に振り回され、プランの見直しを何度も行っている。今後は変化にどのように対応していくのか模索中だ。