食品大手 売上堅調も利益で明暗 一部で特需の反動も 第1四半期業績

食品大手 2021年3月期第1四半期業績 決算売上高上位20社

主要食品NBメーカー(3月期/上場売上高上位20社)の第1四半期(4-6月)連結業績は、コロナ禍が一巡し前年の需要急増の反動も見られる一方で、引き続き堅調な内食需要や業務用の回復により15社が増収を確保。一方で、利益面では穀物相場の上昇や前年の反動減の影響により8社が減益となるなど明暗が分かれた。

今期から収益認識に関する会計基準が適用され販売手数料や販促協賛金などを売上高から控除する方法に変更となったことで、売上高ランキングにも多少の変動が生じた。

売上高上位3社の顔ぶれは変わらないが、前年トップだった明治に代わって日本ハム、味の素が浮上。日本ハムは、コンシューマー向けのハム・ソーセージが前年の需要急増の反動でマイナスとなったが、ライフスタイル変化に対応したデリ商品が伸長。テイクアウト、ファストフード、CVS向けなど業務用製品の販売回復も貢献し、増収増益につなげた。

味の素社は、調味料・食品および冷凍食品について主に海外における家庭用製品が好調だったことや、コロナの影響で落ち込んだ外食・業務用製品が一部復調したことに加え、ヘルスケアなどが伸長。国内の家庭用調味料は内食需要急拡大の反動も見られるが前年並みと堅調で、グループ全体でも売上高、事業利益とも二ケタ増を確保した。

明治ホールディングスは、ニュートリション事業や業務用食品、海外事業、チョコレート・グミ事業は前年を上回ったが、ヨーグルト・チーズが前年の特需反動で11%減と落ち込んだほか、牛乳、調理食品の各事業が減収。利益面でも二ケタ減益となった。

マルハニチロ、日本水産の水産大手2社はいずれも増収増益。家庭用冷食が好調だったことに加え、前年に大きく落ち込んだ業務用食品の回復も寄与した。ニチレイも加工食品事業の売上高は前年を上回ったが、利益面では新型コロナウイルス感染拡大によるタイの労働力不足や原材料・仕入れコストの上昇もあり、減益となった。

売上高は各社とも前年のコロナ特需の反動をカバーし、おおむね堅調に推移しているが、利益面では明暗が分かれた。日清オイリオグループ、昭和産業は製油事業の急激なコスト上昇で二ケタ減益の厳しいスタート。

製油各社は期初から価格改定を急ピッチで進めている。夏場にかけて一定の進捗が見られるが、コスト環境は厳しさを増しており、期中3度目となる8月の値上げ浸透がカギを握る。マーガリン、マヨネーズなど油脂加工品の値上げも相次いでおり、下期以降は加工食品全般に油脂値上げの影響が広がっていきそうだ。

また日本ハム、伊藤ハム米久HD、プリマハムの畜肉大手3社の通期営業利益はいずれも減益予想。コロナ禍で輸入食肉の不安定な供給が見込まれる中で、国産・輸入肉の価格高騰、さらには飼料価格の高騰など、収益面での影響が懸念されている。

なお、サイバー攻撃によるシステム障害の影響で決算発表を延期したニップンは、第1四半期の業績について「新型コロナ感染拡大で先行き不透明な状況が継続しているものの、販売面では冷凍食品が引き続き好調、業務用製品および中食事業も想定以上に回復しており、売上げ、営業利益とも前年ならびに当初予想を上回る見込み」とコメントした。