惣菜市場が回復 新しい生活様式に適合し進化 パック販売や時間帯別の販売施策などが奏功

中食惣菜市場が回復に転じている。20年の市場規模は、コロナ禍によりリーマンショック以来11年ぶりの落ち込みをみせたものの、新しい生活様式に適合して進化を遂げたことで、スーパー、量販店を中心に簡便さとおいしさが消費者に支持され、コロナ以前を上回る勢いをみせている。

市場調査会社のエヌピーディー・ジャパンによると、4月以降の中食惣菜の売上げは19年比で4・2%増(4月)、11.9%増(5月)、5.2%増(6月)を記録し、コロナ以前の2年前と比べても好調に推移している。

バラ売り禁止からのパック販売や時間帯別の販売施策、マーケットインの催事といった売り手側の臨機応変な対応が好調要因とみられる。小売各社ではコロナ禍の変化に対応した売場づくりを意識しており、今年に入ってからも米飯や調理麺、おつまみ惣菜などの動きが良い。「21年版惣菜白書」によると袋物惣菜は19年に前年比11.8%増、20年3.5%増と成長が続く。

コロナ禍は定番商品を中心に需要が高まった一方、秋以降はバラエティー感のあるメニューが人気を集めている。自宅で旅気分が味わえるご当地商品やアジアンメニューなども定番化し、外食需要を取り込んだ有名店監修商品は品揃えが増える傾向にある。

人手不足を理由に拡大基調にあるサプライヤーから仕入れるアウトパック製品は、コロナ禍でその流れに拍車がかかった。高単価のアウトパックの動きも良い。「有名店監修品では、具材の充実などで外食に匹敵する価値ある商品を提供しやすくなり、お客さまから喜ばれている」との声も聞かれる。

デパ地下やエキナカの惣菜売場ではショップの独自性を打ち出したやや高級路線の商品が売れ筋となっている。外食事業からの新規参入も見受けられるようになり、調理済みの冷凍食品も保存が利く利便性とメニューのバラエティー化を果たすなど進化を遂げている。

日本惣菜協会の調査によると、消費者は「おいしさ」「価格」「メニュー」といった要素を惣菜に求め、その次に「消費期限の延長」を望むことが分かった。消費期限の延長については、専門家も「中食ビジネスにとって避けられない課題」と指摘しており、コロナ禍で露呈された短い消費期限をどう克服するかが課題となる。

小売や惣菜関連企業の間では、大手を中心にSDGsへの取り組みも始まった。脱プラスチックを実現すべく容器包装の仕様変更を検討する動きもあるほか、食品ロスの低減なども具体策が提案されるようになった。骨までまるごと食べられる魚の開発やプラントベースフード、皮や種、芯まで食べられる野菜といったサステナブルフードも「将来的な惣菜メニュー」として商品化が進んでいる。

中食・惣菜 カテゴリー別市場規模の推移(2021惣菜白書より)