買物に楽しみを

スーパーなら100円で買えるフランクフルトを、夏祭りでは300円でも買う。同じく298円で買える焼きそばを500円で買うこともある。「なぜか?」。あるスーパーの幹部と話していて問われた。答えはシンプルだ。「そこで食べるのが楽しいから」。

▼とはいえ、祭りは年中あるわけではないので、われわれは会社帰りに居酒屋に寄り、週末はレストランで多少贅沢をする。だが、近ごろは度重なる自粛要請で、こうした小さな楽しみも失われた。

▼結局、家飲みでもとフランクフルトや焼きそばよりは幾分豪華なものを買い込むが、一人では寂しく、家族もそうそう付き合ってはくれない。リモート飲みも盛り上がったのは最初だけで、最近は誰もやろうとは言わなくなった。

▼このスーパー幹部の話は「店が楽しければ、お客さんもたくさん来てくれる」と続くが、昨年来、多くの店は「短時間で、少人数で」と繰り返し、滞在時間は縮まるばかり。キャッシュレスが定着して便利にはなったものの、利便性よりも「非接触」がもてはやされる。これでは、買い物に楽しみを見いだすのも一苦労である。