クラフトコーラ続々、ブーム到来か スパイス、ハーブ、柑橘などの組み合わせに妙味

複数のスパイスやハーブ、柑橘類によってつくられる味わいが特徴のクラフトコーラが続々と登場している。

クラフトコーラは一般的なコーラ飲料とは異なり、さまざまなバックグラウンドを持つ生産者が素材や製法に独自の工夫を凝らし、生産者の個人的思想やストーリー、地域性がデザインなどに反映されているのが主な特徴。クラフトコーラを手作りする動きもあり、コロナ禍で高まる手作りニーズやコーラ飲料の中でも新しい味わいを求める動きを受けてブーム到来の兆しを見せている。

日本全国に約50種類のクラフトコーラがある中で、その先駆けとされるのが、クラフトコーラ専門店・専門メーカーの「伊良コーラ(いよしコーラ)」(会社名:CRAND GIFT)。

同社は、コーラ愛飲者の創業者がインターネットで偶然見つけた100年以上前に書かれたコーラのレシピでコーラづくりを始め、18年に東京・青山ファーマーズマーケットへ移動販売車を出店。現在、2店舗とECで、濃縮タイプの「クラフトコーラ 魔法のシロップ」と即飲用の「IYOSHI CARFT COLA」を販売している。

伊良コーラ「クラフトコーラ 魔法のシロップ」
伊良コーラ「クラフトコーラ 魔法のシロップ」

そのほか、代表的なクラフトコーラとしては「ともコーラ」(会社名:TOMO’s CRAFT)や「TOBA TOBA COLA」(会社名:Keithland)などがある。

より手に取りやすいクラフトコーラとして、今年に入り大手も参入。いずれも、スパイスなど素材へのこだわりや独自製法といったクラフトコーラが持つ世界感に重きを置いた商品設計となっている。

成城石井は、スパイスの魅力を新たな形で届けることを模索する中でクラフトコーラに着目して6月20日から「成城石井クラフトコーラ」を発売している。

同商品は、410㎖の即飲用ペットボトル(PET)で、6種のスパイスと4種のフルーツ果汁をベースに、カラメルシロップで奥行きのある甘みを加えて、つなぎ役として燻製酢を使い全体に一体感を出しているのが特徴となっている。

「成城石井 クラフトコーラ」
「成城石井 クラフトコーラ」

時を同じくして、ポッカサッポロフード&ビバレッジも即飲用の「SPICE FACTORYザ・クラフトコーラ」(450㎖PET)を6月21日に新発売。

同商品は、グループ会社の老舗スパイスメーカー・ヤスマが持つスパイスの知見とポッカサッポロが強みとするレモンの知見を結集させて開発した期間限定の炭酸飲料。

ヤスマは1947年に創業し、「mascot(マスコット)」ブランドのスパイス・ハーブの小瓶入り商品などを販売。2019年にポッカサッポロのグループ会社となる。

「ザ・クラフトコーラ」は、ヤスマの知見を取り入れた初の飲料で、ヤスマが世界各地から集めた高い品質基準を満たすナツメッグ・カルダモン・シナモン・クローブのスパイス原料をエキス化して使用している。

これを含めた計10種類のスパイスをブレンドして、コーラに適した香り高いスパイスの本格的な味わいを実現。さらに、瀬戸内レモンのピールエキスを加えることで、ほろ苦くさわやかな後味に仕上げた。

モスバーガー「クラフトコーラ」
モスバーガー「クラフトコーラ」

取材に応じた同社の黒柳伸治価値創造飲料事業部部長は「ヤスマからスパイスに関する知見やアドバイスを随分いただいたことに加えて、柑橘についてはレモンという強みがある。まさにわれわれの強みを結集したクラフトコーラであり、ほかではまねできないものに仕上げた」と胸をはる。

商機としては、コロナ禍で高まる家庭内の手作りニーズに着目する。

「ご家庭にある素材を組み合わせてカスタマイズして飲む機会が増えている。この動きに対し『ザ・クラフトコーラ』はSNSで『メーカーが再現性を持って身近なものにしてくれた』といったポジティブなお声を幅広い層の方から多くいただいている」と述べる。

外食も着目する。モスバーガーでは「モスのスパイスサマー」と題し、7月15日から9月下旬にかけて販売しているこだわりのスパイスを使用した3商品の一つとして「クラフトコーラ」をラインアップしている。