豆腐 価格適正化へ正念場 原料高騰による窮状を打開

豆腐市場では製品値上げの交渉が本格化している。輸入大豆、国産大豆、揚げ用油など原材料の高騰によるもので、多くのメーカーが7月後半から取引先の量販店と価格改定交渉を行っている。価格適正化がどれだけ進むのか、お盆過ぎには大勢が判明する見通しだ。

輸入大豆についてはシカゴ相場が高騰している。今年7月中旬時点の価格を2年前の同時期と比較すると6割も上昇している。Non-GMO大豆のプレミアム(割増金)や海上運賃も上昇。中国などの大豆輸入量増大に伴い、高止まりしている。

国産大豆も3年にわたる不作のため需給が逼迫し高騰。これを受けて、昨年すでに製品値上げを行った有力メーカーもある。揚げ用油は、製油メーカーが3~4月の値上げに引き続き、6月にも再度の価格引き上げに踏み切った。さらに8月から今年3度目の値上げを実施。2倍近くに値上がりすることになる。

原材料高騰を受けて業界では値上げ機運が高まっているが、メーカーにはさまざまな思惑がある。引き続き価格改定は行わず、静観の構えを崩さない大手メーカーや、西日本では価格改定を実施するが、東日本では値上げ交渉をしない大手メーカーもある。物流費の高騰から工場遠隔地で条件改定を進めるメーカーもある。

いずれにしても大部分のメーカーにとって、今回の急激なコストアップは、努力や工夫で吸収できる限界を超えている。例えば、油揚げのシェアが高いある有力メーカーは、揚げ用油の値上げだけで年間1億円もの利益が吹き飛ぶ。豆腐メーカーにとって決して小さな額ではない。

関係筋によれば、量販店と取引する大半のメーカーが現在価格改定に取り組んでいると見られる。先月後半に始まった交渉は今月にずれ込み、お盆過ぎには大勢が決すると見られる。

原材料高騰によるかつてない窮状を打開できるのか。長年日本の食卓を支えてきた豆腐の安定供給を今後も維持するために、是が非でも製品価格の適正化が必要である。