UCCの「最高傑作」コーヒー、上島珈琲店に登場 喫茶文化の象徴・ブレンド追求した21種をストーリーとともに 

UCCグループ各社のプロフェッショナル約20人が開発に携わり、UCCが「最高傑作」と誇るレギュラーコーヒー21種類が7月21日、上島珈琲店の一部で発売された。UCCの外食事業を担当するユーシーシーフードサービスシステムズ(UFS)の主力業態・上島珈琲店のブランド強化が目的。

UFSの川野浩司社長は「外食は少しずつ復調の兆しが見えてきているものの従来通りにはいかないとみている。そこで物販を強化し『上島珈琲店をご家庭でもより日常的に楽しんでいただきたい』との想いを込めて開発した」と語る。

当面は東西の旗艦店である「苦楽園本店」(兵庫県西宮市)と「№11」(東京都港区)の2店舗に加えて、上島珈琲店公式オンラインショップで先行販売し「いずれは他の直営店にも広げていきたい」考えだ。

商品はすべてブレンドの豆商品。コーヒーのヘビーユーザーで、おうち需要の高まりを受けて新たに豆商品へと手を伸ばし始めた層の獲得を狙う。21種類は、日本人好みにアレンジしたブレンド9品・デカフェ2品・アイス用1品のスタンダードタイプと高付加価値タイプの「LIMITED EDITION」に大別される。税込販売価格はスタンダードが200gで1千100~1千380円、高付加価値が200gで1千400~2千680円。

21種類の開発に当たり、創業者・上島忠雄氏の情熱に原点回帰したという。UCCホールディングスの栄秀文コーヒーアカデミー学長は「今回のミッションはUCCグループの歴史やコーヒーにかける情熱を一つのストーリーに落とし込み、上島珈琲店のレギュラーコーヒーとして実現することだった」と振り返る。ミッション実現に向け、グループ各社のプロフェッショナル約20人がプロジェクトチームを結成し、味覚・マーケティング・開発設計・販売の4つのチームに分かれて開発に挑み「UCCの現時点での最高傑作である日本流の新しいコーヒーが完成した」と胸を張る。

UFSの川野浩司社長
UFSの川野浩司社長

ストーリーは、UCCの歴史や「カップから農園まで」のさまざまな工程に携わる人たちにフォーカスし、商品名やデザインに反映。商品名でストーリーを色濃く映し出す代表作が「Tamon to the Dock」「Kurakuen the Uphill」「Don’t Go Dongoros」の「LIMITED EDITION」3品。

「Tamon to the Dock」は、創業の地・多聞通から神戸の港、海岸通へ続く道を意味し、創業者が使節団を率いてアフリカを訪れたことに思いを馳せケニヤやザンビアの豆をブレンド。爽やかなグレープフルーツの香りや、飲んだあとに続く桃のような甘い余韻が特徴。

「Kurakuen the Uphill」は、ガテマラ産ゲイシャ種コーヒー豆を70%使用し、フルーツを思わせる酸味や甘み、チェリーのような甘酸っぱい後味で阪神間モダニズムの地・苦楽園を表現している。

「Don’t Go Dongoros」のDongoros(ドンゴロス)はかつての麻袋の呼び名で、黙々と焙煎機へと運ぶ男たちをイメージ。どっしりと重厚感のあるチョコや甘いバニラの香り、焦がしキャラメルのような余韻が感じられる。なお「LIMITED EDITION」のみ、商品をイメージした織田知里氏のイラストがあしらわれている。

ブレンドの魅力についてUCC上島珈琲の中平尚己農事調査室室長は「フレンチワインでも単一品種で醸造するブリュゴーニュワインと複数品種をブレンドするボルドーワインがあり、今回のブレンドはボルドーワインのような考え方に基づいている。ボルドーワインは人の技術を大事にし自然環境に左右されにくい」と説明する。

ブレンドは日本の喫茶文化を象徴していることも指摘。「ファーストウェーブからサードウェーブの流れというのは実は日本には当てはまらない。アメリカではファーストウェーブで大量生産・大量商品のコーヒーで評判を落として消費が落ち込み、それを戻すために風味にこだわる動きが起きたが、日本のコーヒーはブレンド文化で落ち込みの時期がなくずっと右肩上がり」と述べる。