カナカン 人財活かし地域密着を強化 谷口英樹社長に聞く

カナカンの前3月期(20年4月~21年3月)業績は、巣ごもり消費で家庭用は好調だったものの、業務用の低迷が影響して売上高は前年比98.5%、経常利益は60%を割り込み苦戦した。4月以降の状況と取り組みについて、谷口英樹社長に聞いた。

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4~6月の第1四半期は全体で102%と、帳合い変更により増減があったもののトータルでは若干のプラスで着地した。チャネル別ではドラッグストア向けが好調で全体を押し上げた。外食向けは102%と若干の回復を見せたが、これは昨年が悪すぎた反動。観光需要も戻ってきておらず、引き続き厳しい環境には変わらない。なお一昨年比では、事業全体で90%超、外食は80%台とまだまだ悪い。今年度目標(前年比105%)はやや強気だが、達成に向けて努力したい。

北陸市場はドラッグストアが盛んで(人口あたりの店舗数が)全国一と言われるがGMS(総合スーパー)も多く、15日には石川県白山市に日本海側最大面積のイオンがオープンした。地元ドラッグストアのおひざ元であり、近隣のドラッグストアや地元スーパーは相当影響を受けることが予想され、今後の動向を注視している。

今年度はスローガンに「踏襲からの発展」を目標に掲げ、75年間受け継いできたものを守りながら、さらに発展するための政策実行を進めている。その一つがセールスの強化。コロナ以降、全国卸の方針が転換期を迎えているような気がして、今後の政策に戦々恐々とするが、われわれは地域密着の強みをさらに生かすべく邁進したい。

人財活用と各部署の活性化のため、部署を超えた異動を試みている。以前は外食部と酒類部は当社の中でも特殊部署であり、その畑のエキスパートが上長になるのが通例であったが、今春の人事異動では商品部の長とエリア支店長、各エリア支店長を入れ替えるなど、思い切った人事を行った。それぞれが経験を生かした視点で新しい風となり、各部署が活性化してくれることを期待している。

億単位の赤字が続いていた、コンビニ向けのデリカ製造を3月末で縮小して人員削減を行った。またその設備を有効にするため、例えば「生春巻き」や「トルティーヤ」など手間がかかる惣菜の取り扱いを始めた。取引先から評価され、結構な量が出ている。サラダなど人気惣菜は価格競争が激しく、ほかがやっていない付加価値商品を製造したい。今は効率化に取り組んでおり、今後も事業回復に向けて努力したい。