氷糖商戦2021 金メダル級の快勝 全国で大幅プラス 青梅豊作、巣ごもり恩恵も

今年の氷糖商戦は大幅プラスとなった。商戦を左右する青梅も和歌山産、群馬産、各地の地場梅ともに平年並みから豊作で推移しただけでなく、商戦期間中(5月GW~6月末)にコンスタントに出荷され続ける典型的な勝ちパターンだった。ここ2年ほど負けが続いていたが一気に挽回した。氷糖の年間出荷量も1万6千tに達する予想も出ている。

氷糖(もしくは氷砂糖)の最需要期は青梅漬けに利用される5~7月で、さらにスーパーやホームセンターで特設売場が設置される期間は5月末から6月末頃まで。東北地方は7月末ぐらいまで続くが、7月初旬で大勢が判明する短期決戦だ。氷糖メーカーは中日本氷糖、日新製糖、鳳氷糖でほぼシェア8割を占めている。

さて、今年は中日本氷糖(本社・愛知県名古屋市、福井直也社長)が前年比20%増と好結果。「6月に梅が出始めると一気に販売が進んだ」(中日本氷糖)と、ここ2年は梅が不作で氷糖商戦もマイナス続き。小売側も様子見を決め込んで低調な出足となっていたが、6月過ぎに青梅が出回り始めると出荷量、タイミングも噛み合い、価格はやや高めだったが、これまでの不振を挽回する販売量を見せた。

また、鳳氷糖(本社・福岡県北九州市、月村秀輝社長)は前年比50%増近いペースとなった。全国的に早い商戦開始となる九州地区だが、「今年は産地の出足も早くGW前から出荷ペースが上がり、さらに梅の出荷も長く続いた」とのことで、氷糖も6月末まで堅調な出荷が続いた。九州地区の梅も産地によっては平年の倍の収穫があり、特に昨年は全国的に見ても悪かった同地区だけに取り戻すような勢いだった。

日新製糖(本社・東京都中央区、大久保亮社長)は西日本、東日本ともに20%増で推移。同社は東北地区にも強いため、7月末まで商戦が続くが大幅プラスは揺るぎない。

コロナ禍での青梅商戦は2回目となるが、巣ごもり需要の恩恵は各社が「あった」としている。もちろん梅の豊作ありきであり、ネット検索でも「氷砂糖」はコロナ前より2倍で推移するなど自宅で氷糖漬けを楽しむ人が増えた様子だ。この好調を受けて、氷糖の年間出荷量も1万6千tまで回復すると見られている。やや下目線の年が続いたが、梅以外の需要開拓にも弾みが付く展開だ。業界ではフルーツビネガーのPRにも注力しており、幅広く柑橘類を対象にした氷糖漬けを提案していく。

一般氷糖の出荷量推移(全日本氷糖工業組合調べ)