キユーピー 原材料価格高騰へ対策 付加価値品へシフト 長南収社長が語る

キユーピーはこのほど、21年11月期中間決算を発表した。売上高1千989億円(前年比3%増)、営業利益145億円(44%増)の増収増益となったが、主原料の食用油、鶏卵相場が高騰し楽観は許されない。決算発表の席で、長南収社長が価格高騰への対応、売上構成のリバランスなどについて語った。

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上期業績はおおむね順調に推移した。下期も売上総利益の向上と、販売促進費・一般管理費の効率的配分を徹底していくが、マヨネーズの主原料である食油と鶏卵相場が高騰しており、業績に大きな影響を及ぼす見込み。主力のキユーピーマヨネーズ450gは22円、キユーピーハーフ400gは11円の値上げを7月1日から実施しているが、お客さまからは理解をいただいているようだ。

主原料高騰により、今期は55億円のコスト増となる見込みだ。世界的な指標となるシカゴ大豆相場は、中国の買い付けや米国のバイオディーゼル需要の高まりから高値圏で推移し、長期トレンドも高値安定が継続するだろう。日本の食油価格も、製油メーカー各社が4月から1kg当たり20円、6月から30円、8月から50円の値上げを表明しており、海外相場同様高値で推移すると考えている。鶏卵相場は昨年11月から今年3月にかけ、鳥インフル蔓延から過去最高の殺処分が行われ、生産量が5%以上落ち込み相場が急騰、来秋まで需給バランスは逼迫すると想定している。今年の影響額は55億円だが、来年も同程度、あるいはそれ以上になると考えている。

こうした状況の中、当社グループは主原料高騰リスクに中長期的戦略で向き合っていく。まず、マヨネーズは新価格の浸透を着実に進める。今回は食油高騰の影響のみを反映した価格となっているが、鶏卵相場の影響も大きく販売条件の見直しなど総括的にメスを入れていきたい。主力製品のキユーピーマヨネーズは、食油、卵黄とも原価における主原料比率が高い上、450gを中心としたマヨネーズの構成比は当社家庭用サラダ調味料の約3分の1を占めているため

▽価値観
▽リスク分散
▽成長市場
▽付加価値化

――の四つの観点から売上構成のリバランスが必要だと考えている。

価値観については、新価格の浸透において値頃感とのタイムラグを短縮させ万能調味料としての価値と価格を追求していく。25年にはマヨネーズ発売100周年を迎えることから、それまでにバックキャストで主原料の高騰対応を築き、マヨネーズの価値向上を描いていく。リスク分散については、キユーピーマヨネーズ→キユーピーハーフ→深煎りゴマドレッシングと原料高騰の影響は薄まっていくので、収益性にこだわり商品構成比の割合については流動性を持たせたい。成長市場は、フレッシュストック商品や「HOBOTAMA/ほぼたま」といった、食油も鶏卵もほとんど使用しない新規カテゴリーの育成がこれまで以上に重要になっていく。

また、価格改定により、キユーピーマヨネーズとアマニ油マヨネーズなどの健康訴求品との価格差が縮まり、相対的に付加価値品へのシフトが起こることも想定している。健康意識は多様化するニーズの一つでもあり、ある程度のバラエティを備えておく必要がある。当社が意志を持って付加価値品へシフトすることで、トータルとして原料相場への耐性を高めていけると考えている。

業務用のタマゴ商品についても、鶏卵相場の高騰は業績に大きく影響する。今回の環境変化から改めて事業の脆弱性が浮き彫りとなった。タマゴ商品はこれまでのボリュームを追う事業モデルから、付加価値にこだわる事業モデルへの転換が必要で、現在の鶏卵相場の状況に応じた価格改定を進め、その先の収益構造の転換を目指す。

〈訂正〉当サイトに19日付にて掲載した「キユーピー 原材料価格高騰へ対策 付加価値品へシフト 長南収社長が語る」の写真キャプションに「キューピー」とありましたが、同社の社名は「キユーピー」です。お詫びして訂正いたします。