ヤヨイサンフーズ 日本一の業務用冷食企業へ 誇りに思って働ける会社に 大西宏昭社長

4月1日付で前任の黒本聡氏から社長職を引き継いだヤヨイサンフーズの大西宏昭社長。1980年にマルハニチロの前身である大洋漁業に入社し、会社人生の大半において業務用冷凍食品事業に携わってきた実績を持つ。

冷凍食品が大きく伸びた時代、合併などさまざまな出来事を経験した。海外事業での合弁や、輸出入も手掛けた。業務用冷食については「比較的さまざまなことに知識を有していると自負している」と語り、「その知識を活用してヤヨイサンフーズを発展させていきたい」と意気込む。

目指すは「日本一の業務用冷凍食品メーカー」だ。日本一とは売上げだけでなく、商品の品質、商品力、顧客からの信頼も含まれ、社員が日本一のメーカーであることを誇りに思って働くことができる企業を目指したいとする。昨年は、コロナ禍の影響を強く受け、総売上高は前年比95.1%の350億9千万円、営業利益は14年の合併以来、初めての赤字だった。

業態別では施設・病院給食がソフリを中心に106.6%と好調に推移したが、外食は新型コロナウイルス感染対策に伴う外出自粛などの影響から62.4%と大きく落とした。中食は量販総菜売場を中心に、ばら売りからパック売りにシフトしたことで主力カテゴリーが減少、苦戦した。一方で今年の4月は、前年の裏返しもあるが113%と伸長。19年同月比でも102%となった。

今年度も安全安心という基本方針に変わりはなく、食を通じて消費者の健康で豊かな生活作りに貢献、信頼される企業を目指したいとし、五つの経営方針を掲げる。

一つ目は売上げの回復だ。コロナ禍で価値観や働き方が大きく変わり、求められることも変わったことに合わせて「事業活動の変革が必要」だと話す。特に売上げの6割を占める中食市場に対しては変化に対応して挽回を図り、今年度売上げ379億円、営業利益4億円を目指す。

二つ目は昨年11月に稼働を始めた気仙沼工場のフル稼働だ。同工場の魚原料のうち6割が気仙沼産であり、国産志向の強いユーザーに対して提案を強化するとともに、煮魚・焼き魚を宅配やドラッグストア、CVSなど家庭用ルートで提案する。

三つ目は収益力の強化だ。各部署横断型の収益力向上プロジェクトを立ち上げており、昨年度に課題として見えてきたことを製販管一体となって取り組み、コロナ禍であっても収益を出せる態勢の強化を図る。

四つ目は介護食のリーディングカンパニーを目指すことだ。04年から展開する「ソフリ」は味や形状の品質の高さから評価されていると自負。新工場稼働で生産量倍増が可能となり、5年後には介護食全体で1.5倍の売上げを見込む。

五つ目は社員が働き続けたいと思える企業の構築だ。特に次世代を担う若い人、女性が活躍するためのプロジェクトを立ち上げた。テレワークの態勢を整えるなど働き方の改善を図り、また若手が考えたテーマを深掘りして事業化を検討、経営に参加する意識を持ってもらい、モチベーションを向上させるような会社にしていきたい考えだ。