長持ち油はサステナブル

コロナ禍の当初、品切れが相次いだ家庭用トイレットペーパー。在庫はあるが物流が追いつかず、騒動となった。あれから1年が経過し、店頭では長尺タイプのトイレ紙が定着してきた。

▼ロールの長さを通常の2~3倍にすることで家庭では交換回数が減り、かさばるトイレ紙を何度も買いに行く煩わしさからも解放される。包装もコンパクトで店頭の省スペース化と補充の手間も減る。配送効率も向上し、CO2排出量の削減にもつながる。コロナをきっかけに、消費者・流通・メーカーの価値共有が実現した好事例だ。

▼深刻な原料高に直面する食用油業界でも、業務用分野の長持ち油が注目されている。長持ち油は揚げ物のおいしさはそのままに、フライ調理時の油の劣化や着色、臭いを抑制し通常品よりも長く使える。ユーザーは油の使用量を減らし、トータルコスト削減に寄与できることから、今回のような値上げ局面ほど、重要性が高まっている。

▼大手製油各社の開発競争も熾烈だが、サプライチェーン全体で、その提供価値は広がりが期待されている。コストだけではなく、物流や労働の負荷を低減し、CO2排出量の削減効果を見える化する動きもある。長く使えるから、環境にもやさしい。サステナブルを軸とした価値転換が進もうとしている。