小売取引、不当要請は総じて減少もセンターフィーに根強い負担感 食品産業センターが実態調査

食品産業センターは、このほど「令和2年度食品産業における取引慣行の実態調査報告書」を公表した。センターでは平成7年から食品製造業者を対象に、小売店による優越的地位の濫用の実態をアンケート調査しており、今回も1千700社に送付し22業種319社から有効回答があった(有効回答率18.8%)。

今回は協賛金、センターフィー、従業員派遣、不当な値引き・特売商品等の買いたたき、PB商品に関する要請などとともに新型コロナウイルス感染症拡大での不当な要請についても調査した。

小売間競争が激化する中で、大規模小売業者による製造業者に不当な「協賛金」要求は前回よりやや減少したものの、利益に見合わない協賛金は4割近くあった。その種類はチラシ協賛金(54.3%)が最も多く、新製品導入協力協賛金、新規オープン協賛金などが続き、禁止行為とされる決算対策の協賛金がわずかに増加。協賛金への対応では小規模事業者ほど応じざるを得ない傾向がみられ

「センターフィー」に対しては、4割の業者が負担していると回答し、負担業者の6割以上が「コスト削減分に見合う負担」と回答しているものの、4割弱が「コスト削減分を上回る」と回答し、引き続き負担感が強まっていることが分かった。算出基準や根拠が明らかではないとの回答も69%あった。前々回から調査している「別の名目での要請の有無」では、「あった」と回答した42社の中で、「納品価格のダウンを要請された」(53.8%)や「別の項目のリベート等で要請された」(40.6%)だった。

小売店舗の新装オープンや棚替えへの「従業員派遣要請」には全体では19.7%が要請されたとし、大規模事業者ほど派遣要請が多い傾向にあり、要請に対する対応は「ケースバイケースで応じている」との回答が63.9%を占めたものの、かなり減少。一方、「まったく応じない」「ほとんど応じていない」割合がかなり増加した。

小売業者の「PB商品の製造受託」が「あった」との回答は66.5%で前回調査よりやや減少した。しかし不当だと感じた要請には「原価構成や製造工程に係る情報など、開示することにより価格交渉等において不利な立場が目立つこととなる情報開示を取引条件として求められる」「NB商品と同水準の使用を求めるにもかかわらず、取引価格はNBより著しく低い価格での取引を要請された」との回答が最も多かった。

新型コロナに関連した不当な要請があったとする回答は1.7%(18件)と少なかった。具体的な事例は「店舗休業による返品」「商品供給への圧力」「欠品による売上補償」「飲食店打撃への協賛」などがあった。

今回の調査では、全体的にみると要求・要請は前回調査と比較して、すべての項目でほぼ同じか減少した。また、要求・要請があっても、不当な値引き以外のすべての項目で「応じない」「ほとんど応じない」実態が明らかになり、全体的に前回調査より改善傾向がみられた。