三井食品 大型物流投資を加速 東西で基幹センター整備 柴田新社長「将来の飛躍へ基盤を」

三井食品は東京・八重洲の本社で決算会見を開き、21日付で就任した柴田幸介社長は「コロナとDXで食品業界は大きな変化を迎えている。現中計(20-22年度)で掲げた4つの基(基本・基軸・基盤・基準)を徹底し、変化に対応したより良い商品・サービス・機能を磨き、将来の飛躍に向けた物流・IT投資を加速させる」と語った。

23日に開示した同社の前期決算は売上高7千857億円(前期比4.2%減)、経常利益16億円(22.7%減)、当期利益13億円(27.7%減)。コロナ禍で量販・ドラッグ・DS向けが好調だったが、売上高の約半分を占める業務用・コンビニの減収(500億円程度のマイナス)をカバーできず、減収減益の厳しい決算となった。

関東・関西の2大都市圏で業務用・コンビニのウエートが高い事業構造がコロナの直撃を受けたが、「上期は急激な需要減への対応が遅れた部分もある。下期以降、物量の変動に柔軟に対応できる体制を整え、収益は回復傾向にある」(柴田社長)。

それを踏まえ、今期は売上高6千748億円、経常利益13億円(18.1%減)、当期利益10億円(19.9%減)を計画。経常利益は物流センターや本社移転の費用増(13億円)を含んでおり、「その影響を除いた実力値で経常26億円を稼ぐ計画」(廣幡専務)。売上高は収益認識会計基準の適用で1千60億円のマイナス影響があるが、適用前の比較では0.6%減(7千800億円)とほぼ前年並みを見込む。

5年間で総額1千100億円規模の物流・インフラ投資も順調に進んでおり、9月稼働の関西統合物流センター(延床面積2万5千坪、投資額220億円)を皮切りに、首都圏では流山(23年予定、投資額400億円)、新木場(24年予定、投資額180億円)の大型投資を構想。関西・関東エリアで次世代を見据えた大型拠点を整備し、物流・ITの基盤強化を進める。

今後の施策について、柴田社長は「優良な顧客・仕入先との基盤をベースに機能を磨き、収益力を高め、将来の飛躍につなげていく」。物流インフラのハード面に加え、ソフト面では新設したオペレーション本部が中心となり、物流・受発注の効率化を推進。「新しいことへの挑戦」では、今後の消費の中心となるミレニアル世代を意識した提案やネットスーパー・EC対応、ミールキットの開発、低温事業の強化を挙げた。

昨年発足した三井物産流通ホールディングスの取り組みについて、「流通事業に関わる三井物産グループ4社が連携し、新たなシナジーを創造する」。三井食品、ベンダーサービスなど4社の合算売上高は1兆5千億円規模となり、中間流通としての存在感を発揮。原材料や包装資材の調達、需要予測の精度向上、幹線物流網の強化活用などの協業を進める構えだ。

将来的な定量目標では、収益認識会計適用前の事業規模として「25年には連結売上高8千700億円、経常利益率0.7%を目指していきたい」。19日に54歳の誕生日を迎えた柴田社長は「業界では比較的若いトップになるが、その分だけ長い時間があると思い、お客さまにしっかりとコミットメントできる仕事をしていく」と意気込みを語った。

同席した萩原前社長は「昨年の業績は残念な結果だったが、物流投資も含め三井物産として三井食品を全面的にサポートする体制が整っている。お客さまへの満足度を高め、社会に貢献し、さらなる成長発展を続けていく」と期待を寄せた。