「お~いお茶」1億ケース到達が喫緊の課題 高まる無糖飲料比率に商機 むぎ茶やコーヒーにも注力

競争が激化する緑茶飲料市場の中で、伊藤園は旗艦商品の「お~いお茶 緑茶」に最注力していく。「お~いお茶」ブランドは前期(4月期)、機能性表示食品の「濃い茶」が前年比35%増の2,560万ケースを記録した一方、最大ボリュームの「緑茶」が競合商品の攻勢や「濃い茶」と一部でカニバリを起こし足踏みした。

2日決算発表した本庄大介社長は「『お~いお茶 緑茶』は緑茶飲料市場と同じように落としてしまったので、これを立て直していく。ブランドトータルで1億ケースの到達が喫緊の課題」と語る。

「お~いお茶」ブランドは、健康志向の高まりでカテキンの健康感に注目が集まっていることを受けて製品ポートフォリオを若干変更。

「緑茶」「濃い茶」「ほうじ茶」「玄米茶」「抹茶入りお~いお茶」の順で強化していく方針はそのままに、トクホの「2つの働き カテキン緑茶500」と「お~いお茶 お抹茶」を新たな柱に育成していく。

この中で「ほうじ茶」については「競合他社がものすごく参入してきているため冬場にもう一度力を入れていく」との考えを明らかにする。

飲料全体では無糖飲料比率の高まりに商機を見いだす。

「健康ミネラルむぎ茶」(伊藤園)
「健康ミネラルむぎ茶」(伊藤園)

伊藤園の調べによると、19年から国内飲料市場の半数を無糖飲料が占め、無糖飲料比率は20年、前年から1ポイント上昇し53%と推定。

「今後の消費者の健康志向はコロナ禍でさらに高まり、無糖飲料比率も上昇し続けると予測している。当社商品の75%が無糖飲料で「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」の5つの製品開発コンセプトの中で特に健康はこれからも注力していく」と意欲をのぞかせる。

「お~いお茶」に次ぐ無糖飲料としては、コロナの外出自粛で最需要期の夏場に打撃を受けた「健康ミネラルむぎ茶」に注力していく。

「昨年8月は記録的に暑い夏だったが、外出自粛によって一番回転が高まる時期に振るわなかった。ただし販売シェアはむぎ茶飲料で46%、むぎ茶ティーバッグで44%と圧倒的No.1であり、コロナ収束後には回復すると考えている」。

コーヒー飲料でも無糖ブラックカテゴリーの拡大に着目し強化する。

「タリーズコーヒー バリスタズブラック」(伊藤園)
「タリーズコーヒー バリスタズブラック」(伊藤園)
現状については「コーヒー飲料の市場シェアはブラックが31.5%と一番高く、微糖25.3%、カフェオレ22%、スタンダード21.2%。ボトル缶ブラックコーヒーの販売シェアでは390㎖の『タリーズコーヒー バリスタズブラック』が圧倒的No.1」と説明する。

シナジー創出を目指し、お茶カテゴリーで飲料とリーフ(茶葉)を展開しているように「タリーズコーヒー」でも長年の研究を経てドリップコーヒーに参入する。「コーヒーはお茶の売場の3倍程度あり、ここに参入しない手はない」との考えの下、6月7日にスーパー・量販店・コンビニでドリップコーヒー「タリーズコーヒー ザ バリスタズロースト」シリーズ3品を新発売した。

健康創造企業としての取り組みでは、商品展開にとどまらず研究開発や啓発活動を通じて、健康で豊かに生きる暮らしをサポートする。

5月31日、この動きを加速させるべくエーザイと業務提携契約を締結。これについては「エーザイさまはかねてから認知症の研究とその治療薬の開発に非常に力を入れられている。日本の人口の3分の1は65歳以上で、その皆さまの生活の質の改善に向けて一緒に取り組んでいきたい」と期待を寄せる。