加工品で農業支援「ニッポンエール プロジェクト」 第1弾は宮崎県産日向夏の飲料 JA全農と伊藤園

全国農業協同組合連合会(JA全農)は、加工品の販売による国内農業支援を目的とした「ニッポンエール プロジェクト」を立ち上げた。

JA全農ではかねてから、日本全国47都道府県から届けられる食べ物や日本にエールを送ることをコンセプトにした「ニッポンエール」ブランドを展開。

アイテムとしてはドライフルーツやグミ、キャンディなどを取り揃え、今回、アイテムの幅をさらに広げて支援強化すべくプロジェクトへと発展させた。

2日発表したJA全農の桑田義文代表理事専務は「さらに消費者の皆さまと一緒になって盛り上げていきたいという思いからプロジェクトを始動した」と述べる。

プロジェクト発足の背景には、人手不足や高齢化に直面する国内農業従事者の存在がある。

(左から)JA宮崎経済連の坂下JA宮崎経済連の坂下栄次会長(モニター)、JA全農の戸井和久氏、桑田義文専務、伊藤園の神谷茂専務、志田光正本部長、虹のコンキスタドール、宮崎県公式キャラ「みやざき犬」
(左から)JA宮崎経済連の坂下JA宮崎経済連の坂下栄次会長(モニター)、JA全農の戸井和久氏、桑田義文専務、伊藤園の神谷茂専務、志田光正本部長、虹のコンキスタドール、宮崎県公式キャラ「みやざき犬」

「農業従事者はこの5年で22・5%減少し約136万人。また65歳以上の農家が占める割合は約70%で高齢化も進行している。さらにコロナの影響で一番人手が必要となる時期に働き手が不足するなど農業の生産現場では深刻な問題も起こっている」と訴える。

消費者へのアピール強化を狙い、プロジェクトで連携の輪を広げ商品カテゴリーを拡充させていく。

JA全農の戸井和久チーフオフィサーは「原材料の消費だけでなく、加工品のウエートを上げていくことで生産者の皆さまに付加価値を感じていただいて手取りを増やせるきっかけになれるようにしていきたい」と抱負を語る。

プロジェクト第1弾では、伊藤園と宮崎県産日向夏の白皮(はくひ)・果肉を使った飲料「ニッポンエール 宮崎県産日向夏」を共同開発し、6月7日から伊藤園が販売する。

同席した伊藤園の神谷茂取締役専務執行役員は「プロジェクトの最初の参画企業として販売やPRを通じて日本の農業と消費者をつなぐ架け橋になっていく」と意欲をのぞかせる。

開発に当たっては、伊藤園が果実を学ぶことからはじまり、宮崎県発祥の柑橘である日向夏を第1弾に決定。その後、実際に農家を訪れてヒアリングを重ねた上で開発を進めていったという。

パッケージ側面には専用サイトのQRコード(ニッポンエール 宮崎県産日向夏)
パッケージ側面には専用サイトのQRコード(ニッポンエール 宮崎県産日向夏)

伊藤園の志田光正マーケティング本部長は「農家の方々から白皮の部分にほんのりとした甘さがあり果肉と一緒に食べるとおいしいということを教わり、皮ごとしっかり使わせていただいた」と振り返る。

味づくりは、白皮の甘さと果実の甘酸っぱさを表現するため酸度と甘さのバランスに腐心。

「農家の方々、JA宮崎経済連さま、JA全農さまのご協力を得ながら理想の味わいができたと考えている」と胸を張る。

同商品の営業活動にあたっては「日向夏そのもののおいしさに惚れ込まないと全国の皆さまにお伝えできない」との考えから全営業約4千200人に宮崎県産日向夏を配布。

消費者に向けては、パッケージ側面に「ニッポンエール プロジェクト」専用サイトにつながるQRコードを記載して日向夏の特徴や食べ方、生産者の情報を伝える。

ビデオメッセージを寄せた河野俊嗣知事(宮崎県)
ビデオメッセージを寄せた河野俊嗣知事(宮崎県)

「ニッポンエール」公式インスタグラムアカウントでは抽選で100人に旬のとれたての宮崎県産日向夏が当たるキャンペーンを6月7日から7月30日にかけて実施する。

日向夏の旬は、ハウス栽培が12月~3月、露地栽培が3月~5月。

リモートで参加したJA宮崎経済連の坂下英次代表理事会長は「今回の企画で日向夏を知って食べていただく機会が増えて、少しでも販売拡大を図ることで生産者の所得向上・生活の安定につなげていければいい」と期待を寄せる。

河野俊嗣宮崎県知事はビデオメッセージで「コロナで影響を受けている全国の農家の皆さんにエールを送るという素晴らしい取り組み」と評した。