三菱食品 次世代食品流通業へ進化 デジタル領域に積極投資 中経2023

三菱食品は23年度を最終年度とする3か年中期経営計画「中経2023」を策定した。「食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する」をパーパス(存在意義)とし、中長期的に目指す在り姿(ビジョン)として「次世代食品流通業への進化(サステナビリティ重点課題の解決)」の実現に取り組む。最終23年度の定量目標は経常利益220億円(20年度比30%増)、ROE8%以上。

サステナビリティ重点課題として、「食の安全・安心・安定供給」「健康でより良い食と暮らしの提供」「食流通のムリ・ムダ・ムラの是正」「価値創造を支える基盤」「環境に配慮した事業推進」を設定。その解決に向けて、同社の経営基盤を活用した「機能向上への取り組み」と「地域での取り組み」を加速させ、新たな収益基盤の構築と成長領域への積極投資を進める。また、非競争領域における業界連携・協業による効率化の推進を図り、持続可能な社会の実現と企業価値向上につなげる。

森山前社長からバトンを受け継いだ京谷裕社長執行役員(6月総会後に代表取締役就任)は「統合から10年が経過し、第2ステージに入る。食品流通全体を取り巻く環境が大きく変化する中で、三菱食品も変化を求められている。『中経2023』の位置付けは、当社が次世代食品流通業への進化を遂げるための経営計画」と語った。

具体的な取り組みでは、リテールサポート、商品開発、メーカーサポート、SCMの4つの機能向上を柱に、デジタルを活用した業務効率化・需要創造(DX推進)、経営基盤の変革を進める。

リテールサポートでは、取引先の課題解決と新たな価値創造の実現に向けて、地域・生活者ニーズをとらえた品揃え・販促・集客の提案、徹底的な効率化による競争力ある商品調達、デジタル化による需要予想の最適化、非競争領域における他社協業を進める。

商品開発では、生活者ニーズに即したオリジナル商品・輸入ブランドを強化。健康・環境に資する商品開発を加速する。メーカーサポートでは売場連動型の広告販促、全国インフラを活用した地域密着型の営業代行、三菱商事グループのネットワークを活用した特色ある原料資材の供給により、メーカーの課題解決と新たな価値創造につなげる。SCMでは低温物流網の強化や共同物流の事業化、デジタル化によるオペレーションの標準化・高度化を進め、高効率でオープンなSCMの実現を目指す。

デジタル活用では、新たな在庫最適化ソリューションを導入し、物流・受発注の効率化を推進。社内デジタル人財の育成にも力を入れ、「自社の業務効率化のみならず、ソリューションの横展開により、食品ロス削減を中心とした取引先・業界全体の流通最適化に貢献する」(京谷社長)と語った。

地域パートナーシップの構築では、「コロナを機に地域分散化社会へのシフトが進んでいる。食品流通を起点に多様な地域パートナーシップを構築し、三菱商事グループと連携した地域コミュニティの活性化など、新たなシナジーを創出する」(同)とした。

最終23年度の定量目標は経常利益220億円(20年度比51億円増)。今後3年間で、リテール・メーカーサポート(12億円増)、商品開発(15億円増)、デジタル推進(13億円増)の3分野で新たな利益創出を図る。3か年累計の営業CFは800億円。成長領域やデジタル領域への投資を積極的に進め、事業・成長投資200億円以上、更新投資400億円、株主還元100億円以上を計画する。