日清オイリオ 家庭用油の市場拡大へ価値向上策を加速 「生活者に仕掛ける」久野社長

日清オイリオグループの久野貴久社長は19日の決算説明会の席上、今期からの4か年中期経営計画「Value up+」(21-24年度)について、「コアコンピタンスの油脂を究め、3つの戦略領域(油脂、加工食品・素材、ファインケミカル)でグループの強みに磨きをかけ、成長戦略を加速させる」との方針を示した。

BtoBtoCでは、さまざまな健康機能が注目されているMCTの取り組みを強化。生活習慣病予防や美容への関心が高まる中で、MCTの継続摂取による脂肪燃焼体質化の提案を広く訴求。MCTオイル・パウダーの拡販に加え、関連製品とのコラボレーションによって機能性素材としての展開を広げる。また、高齢化に伴うフレイル・プレフレイルなどの社会課題に対して、効率的なエネルギー摂取におけるMCTを含めた油脂の提案をさらに強化し、健康寿命延伸に貢献する。

BtoBでは、グローバル市場でのチョコレート用油脂の販売数量拡大を目指し、アジア、ヨーロッパ、北米での販売体制を構築。原料のサステナビリティ追求とともに、前中計で構築した拠点のフル活用と新たな拠点整備、重点エリアにおけるユーザーサポート機能と提案活動を強化する。ファインケミカルでも化粧品原料の展開を広げる。

収益性向上では、急騰する油脂相場への対応などボラティリティ低減の取り組みを急ぐ構え。高付加価値品の拡販とともに、「将来コストも反映した適正な販売価格の形成が不可欠」と強調した。

最終24年度の定量目標は、連結売上高4千億円、営業利益170億円、ROE8%。年平均成長率(20年度比)は売上高4.4%、営業利益8.4%。トップラインの拡大とともに収益性、資産効率をさらに高める。

トップラインの拡大では、今後4年間で700億円の増収を計画。BtoC(ホームユース)で50億円、BtoB(業務用・加工用/国内および海外)で550億円、BtoBtoC(マーケット起点による顧客との価値共創)で100億円の増収計画を示した。

ホームユースでは、家庭用食用油のさらなる市場拡大に向けて、「流通との強固な関係性をベースに、油脂のさらなる価値向上を当社が主体的となって生活者へ仕掛けていくことで市場を拡張する」とトップメーカーとして強い決意を示した。

家庭用食用油市場は10年間で約1・5倍に拡大。20年度は過去最高の1千600億円市場を突破したが、「健康性やおいしさ、新たな使い方の提案など価値向上の仕掛けによって、今後も市場拡張が期待できる。植物油の消費量も炭水化物からのエネルギー摂取のシフトにより総量は落ちないと想定している」との見方を示した。

そのための取り組みとしては、脂質栄養の情報提供を4年間で3千万人、30年までに累計1億人をCSV目標として掲げた。