気候変動で生産危機の「スジアオノリ」 陸上養殖に活路 理研ビタミン

理研ビタミンの子会社で「ふえるわかめちゃん」や「わかめスープ」を製造する理研食品は19日、海藻の陸上養殖施設「陸前高田ベース」の地鎮祭を行った。開設は10月を予定しており、最初に手掛けるのは「スジアオノリ」となっている。

日常で目にする「青のり」や「あおさ」と表記された緑藻類は3つに大別され、その中で香り高く高級品の位置づけで「国産青のり」と表記できるのがスジアオノリやウスバアオノリなどのアオノリ属だ。

ところが、ここ5年ぐらい温暖化の影響や台風被害で生産量が激減。2015年に100t採れていた頃と比較すると、約8割減という極端な不作に陥っている。

不作原因は秋冬の水温が高いこと。水温降下が遅いと養殖網への種付けが遅れるし、水温も12~13℃の適温でないと色良く伸びない。黒のり(一般的な海苔)も同じような環境にあり、こちらも不作傾向が強い。また、大型化して頻度も増えた台風襲来も不作要因の一つ。こうした気候変化がスジアオノリ養殖に適さなくなり、養殖域の河口をあきらめて陸上養殖に将来を見いだす事業者も増えている。

理研ビタミンは5年前から高知大学と共同研究を行い、陸上養殖の事業化に向けた検討を続けてきた。事業用用地での海水取得、地元漁協や行政の理解が得られることなど条件もクリア。また、陸前高田市が目指す沿岸域の復興事業やSDGsに着目した持続可能な産業振興の方針にも貢献できる可能性が高いことが評価された。2025年にアオノリ類の乾燥品10tを目指す。

▽施設名称:理研食品陸前高田ベース▽住所:岩手県陸前高田市米崎町脇ノ沢漁港(沼田地区)内
▽事業内容:海藻類の陸上養殖
▽工場:敷地面積約8千300㎡(第1期・第2期工事計)、建屋面積約324㎡▽総事業費:約2.7億円
▽稼働開始日:2021年10月1日▽従業員数:8人▽目標生産量:2025年度にアオノリ類の乾燥品10t