加藤産業 新たな形で「つなぎ」の場を オンラインとリアルを融合 加藤社長語る

加藤産業の上期は売上高が3%増、営業利益が4%増の増収増益で着地した。加藤和弥社長は会見で、上期の総括と消費環境、デジタル化と卸の役割、海外事業などについて次の通り語った。

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【上期の総括】昨年3月からコロナ禍による需要爆発の影響が色濃く出て、その裏年となった今年は前年比が見えにくい。われわれは比較的、家庭用の構成比が高いグループであり、一部酒類事業は業務用がそれなりに大きいものの、全体を通して言えるのは特に売上げにおいてマイナスよりプラス面の方が大きかったということ。上期は当初、減益を想定していたが、何とか前年をクリアした。ただ先行きが見通せない状況で、通期の予想は従来通りとする。

大半の生活者にとって、家庭で食事をするスタイルが通常のものとなっている。そういう意味では足下で大きな変化はなく、ワクチン接種の状況にもよるが、秋口ぐらいまではこの状態が淡々と続くと思われる。一番の懸念は業務用酒類のマーケットで、緊急事態宣言下では提供が禁止された。これが続くと大きなダメージになる。上期が計画より上振れしたので、下期もそうなるかと言えば確信は持てない。展望がしにくい環境であり、下期は下期として計画を追いかけていく。

【デジタル化と卸の役割】今後、コロナの状況が緩和されると、オンラインでできること、あるいはオンラインの方が良いこと、また、リアルでなければできないことが見えてくる。例えば試食する、思いを共有するということにおいてはリアルの良さを伸ばすべきだし、実際に来られない人が会合に参加できるなどオンラインの良さもたくさんある。

オンラインとリアルのシームレスな融合、あるいは使い分けをする場面がどんどん出てくるだろう。DXやデジタル化に振るのではなく、デジタルを取り入れる、融合していくという考え方が大切だと思っている。

つなぎというのが卸売業としての基本的な役割であり、存在意義だと言い続けてきた。オンラインの状況で従来のつなぎ方が弱まり、バーチャルの世界での新しいつながり方が出てきている。その中でデジタルの世界に乗りにくいつながり、バーチャルになることで弱まったつながりも多々ある。われわれがバーチャルとリアルの世界を行ったり来たり試行錯誤しながら、新しい形でのつなぎの場を提供していくことが必要だ。

【ベトナム事業について(今年4月にベトナムの卸売業、Song Ma Retail Joint Stock Com panyを買収)】ベトナムでは3社目となるが、今回は従来の2社とは異なるエリアで、アイスなどの低温も持っており、うまく補完し合える関係になると考えている。すべて合わせても約40億円で規模はそれほどでもないが、ベトナムのディストリビューターとしてはそれなりの存在感を持つグループになるのではなかろうか。

ただ、直販体制の営業エリアとしてはまだまだ。南部ができたと言っても大都市を中心とした部分であり、北部もハノイはフォローできているが、それ以外のエリアは大半が二次店経由だ。中央部もほぼ代理店商売なので、拠点を置いて直接営業ができているのは、まだ点に近いととらえている。