ファンケルがサプリ工場新設 需要増と海外展開に対応 キリン製品の受託製造も

ファンケルの子会社であるファンケル美健は4月26日、静岡県三島市に約80億円をかけ新設した三島工場の稼働を開始した。近年のサプリメント需要増とグローバル展開に対応したほか、自社内製化率の向上、キリングループの受託加工事業などサプリメントのグループ基幹工場としての役割を担う。

工場の延床面積は3万715㎡で地上6階建て。85人の従業員が勤務する。サプリメント工場は千葉工場(流山市)以来5年ぶりで、グループ最大の延床面積を誇る。投資額も工場施設としてはグループ過去最大となる。

同工場の稼働により生産能力は錠剤で約1.3倍、アルミ袋製品で約1.4倍に。最大で3~3.5倍の生産量まで拡張できるという。製造エリアは医薬品レベルの衛生環境を整備し、健康食品GMPとFSSC22000の認証を取得予定。非接触の手のひら認証システムを設置したほか、温湿度コントロールを行うなど高い管理体制を敷いている。

自社工場で初めてハードカプセル充填機を2台導入し、1日最大180万粒の製造が可能になったほか、省力化や効率化を実現すべく無人夜間運転可能な錠剤製造機や最新の錠剤選別機なども設備。製造にかかわる帳票類をペーパーレスに置き換えたほか、太陽光発電システムも導入し、環境負荷低減を図った。

新工場を静岡県に構えた理由は、本社や物流センターなどとのアクセスの良さに加え、中国の指定する日本の食品輸入規制の対象地域外であること、建物を含めた取得により短期間での立ち上げを考えていたことなどが挙げられる。

ファンケルの島田和幸社長は「当社のサプリメント事業はスター製品の育成に注力してきた。機能性表示食品も240億円の売上げで、大きく伸長している。海外は中国の国薬国際と提携し、越境ECで成長しているほか、当社のサプリメントが中国の保健食品にも登録されている。状況はスピーディーに変化しているが、今回の投資は将来に向けた布石ということになる。三島工場の完工により、今後の成長基盤が出来上がった。キリングループのサプリメントの受託製造も行う計画で、キリングループとしての生産シナジーも生まれるだろう。コロナで生じた世の中の負を解消していきたい」と意欲を見せた。