「伊右衛門」“みどり”の次は“こはくいろ” 「京都ブレンド」の狙いはブレンド茶にあらず その本意は?

淹れたての緑茶のような色・味・香りにこだわり、鮮やかな緑の水色(すいしょく)を前面に押し出して大ヒットした「伊右衛門」本体(緑茶)。今年は同様の手法で新たなカテゴリー創造に挑む。

サントリー食品インターナショナルが4月に新発売した「伊右衛門 京都ブレンド」は、雑味のないすっきりとした上質な味わいと明るく透き通った琥珀色(こはくいろ)の水色が特徴。ほうじ茶・京番茶・大麦・炒り米・和紅茶――の5種類の素材を組み合わせたブレンド茶だが、ブレンド茶市場だけに向けたものではないという。

「お茶のど真ん中の価値は『上質』だと思っている。昨年、緑茶で見ただけで分かる上質を追求した。その考え方で今回、茶色のお茶市場に臨んだ。ブレンド茶としては作っておらず、茶色のお茶で上質なものを追求した」と多田誠司ジャパン事業本部ブランド開発事業部部長は説明する。

狙うのは、麦茶・ブレンド茶・焙じ茶などを含めた茶色のお茶市場全般となる。オンとオフが混ざり合った新しい働き方のお供としてアプローチしていく。

そのアプローチの原点は開発経緯にある。「京都ブレンド」は、昨年4月頃から広がり始めたオンライン会議も着想のきっかけになった。「オンラインで開発ディスカッションしているとき、『オンライン会議中でもサマになり、気持ちも締まる格好いいお茶をつくりたい』という話が出た」と振り返る。

狙うのは茶色のお茶市場全般。新しい働き方のお供に(伊右衛門 京都ブレンド)
狙うのは茶色のお茶市場全般。新しい働き方のお供に(伊右衛門 京都ブレンド)

一般的にブレンド茶などは、中味・パッケージともに「やさしさ」を重視するのでオフの色合いが濃い。しかし、オンラインを中心とした新しい働き方は、オンとオフがボーダレスで混ざり合ったものだと多田部長は指摘する。

仕事中に飲まれることを踏まえて微量のカフェインを是とした。その半面、香りと「スーッとのどに入ってくる飲みやすさ」を重視した。「仕事と家庭がミックスされる中で、チビチビダラダラ飲むというよりも、気持ちはキビキビとしつつ、時間をかけてゆっくり飲む『キビダラ飲み』にふさわしいものとして訴求していく」という。

コミュニケーションでは琥珀色をアピール。「琥珀色の上質で少し格好いい大人の世界を『伊右衛門』で表現する」狙いから、宮沢りえさんを起用したTVCMなどの広告を展開している。

コミュニケーションの一環で、ラベルをめくってキレイな水色を見てもらう工夫としては、「伊右衛門」本体(緑茶)と同じく、ボトル容器の4面に丸茶マークと招き猫、亀、だるまの縁起の良い絵柄を引き続きあしらったほか、ラベルの裏側に縁起の良い絵柄をデザインしている。