休校時のキャンセル問題 契約書見直しへガイドライン 学校給食三団体

学校給食物資開発流通研究協会、全国給食事業協同組合連合会、日本給食品連合会で構成する学校給食関連三団体協議会はこのほど会見し、「安全・安心な給食を継続し安定的に食材供給を進める」ことを目的に、学校設置者との間でキャンセル条項を盛り込んだ契約書ガイドラインの作成を進める方針を明らかにした。

昨年2月の全国一斉休校に伴い、発注済の学校給食用食材が行き場を失い大きな問題となった。文部科学省では救済措置として「学校臨時休業対策補助金」を策定したが、納入業者と学校設置者の間で契約書がないケースや、明確なキャンセル条項が盛り込まれていないこと、また臨時休校が年度末であったことなど、いくつかの要因により補助金を受け取れた食材納入業者は限られ、182億円の予算に対して昨年秋時点で50億円程度の消化にとどまっている。

こうした事態を受けて、学校給食関連三団体では昨年秋に「学校給食用食材の安定的供給と健全な商取引についての検討会」(委員長:日給連・野口昌孝会長)を立ち上げ、オブザーバーの文科省、農水省の担当官らと議論を重ねてきた。

検討委員会では昨年の全国一斉休校時に浮き彫りとなった、キャンセル時の対応のほか、食材ロスや環境問題、働き方改革への対応など、学校給食の食材納入にかかわるさまざまな問題について議論・検討を重ね、協議会として「契約書に記載したキャンセル条項に関するガイドライン案」を作成。三団体の会員企業(流通会員:各地の食材納入卸事業者)にガイドライン案を配布した。

ガイドライン案では、発注済のキャンセル(数量変更)について、給食実施日の〇日前までに通知や、キャンセルフィーの設定、給食が長期中止になった場合の納入事業者に対する補償や再開後の安定供給に関する対応、転売が難しい商品の補償などを契約書に盛り込む方向で、会員各社との検討を進めている。

また、文科省も令和3年予算で「学校給食事業者と学校設置者とのキャンセル料等契約関係」のあり方について調査予算を計上。早ければ年内までに調査結果をまとめ、来年度以降の契約見直しに向けて取り組む構えを見せている。

日給連の野口会長は「昨年の一斉休校や荒天による臨時休校で給食中止となった場合を想定し、キャンセル事項を記載した契約を締結することは、結果として学校給食制度を支え、ともに歩んでいる地元に根付いた食材納入事業者として必要と認識している」と語り、諸問題の解決に取り組む方針を示した。

なお、検討会では、一部地域の事例として、「昨年の臨時休校時の対応を踏まえ、自治体でもキャンセル条項を盛り込んだ契約書締結に向けて対応が進められている」(群馬県内)ことが報告された。

そのほか、賞味期限(ロット)に関する制約緩和や、納品指定時間・配送回数、検品作業・バラ納品の見直しなど、食材ロス・環境負荷削減・働き方改革の観点から改善に向けた検討を進める。メーカーに対しても安全性を確保したうえで、年月日表示から年月表示への切り替えを求めていく考えを示した。