「ネスレ ミロ」が刺激、ココア異例の春夏シーズン 健康で活性化、拡大する売場

首位の森永製菓が大攻勢 “超食”提案など多彩

ココア市場は、ココア自体の健康価値が浸透していることに加えて、昨年7月頃から周辺カテゴリーである麦芽飲料「ネスレミロ」が話題沸騰となったことで活性化している。

ココアはこれまで季節性が高い商品であるため、スーパーや量販店では店頭棚を春夏に向け店頭棚を1~2段に縮小するのが通例だが、ココアの健康価値が見直されたことで、今春夏はいくつかの流通企業で店頭棚を維持・拡大する動きがあった。

健康価値への関心の高まりは、冒頭の事象に加えて、新型コロナウイルス感染症拡大よるところが大きく、昨春はカカオ分100%のココア商品が大幅に伸長し異常値を叩き出した。

トップの森永製菓はこれらの傾向に着目し、例年行っているアイス提案を中心とした春夏マーケティングプランを抜本的に見直し、健康を前面に押し出して積極展開している。

春夏向けパッケージに刷新「カカオの力〈cacao70〉」(森永製菓)
春夏向けパッケージに刷新「カカオの力〈cacao70〉」(森永製菓)

取材に応じた森永製菓の中村望食品マーケティング部ココアブランドマネジャーは「春夏は例年、『牛乳で飲むココア』と『セノビー』に注力する方針だが、今年は、これだけココア自体の健康価値が見直されている波がきていることを受けて大きく方針転換し、健康価値が高く本格感を求める大人の嗜好にも応える『カカオの力〈cacao70〉』をメインにしていく」と語る。

「カカオの力〈cacao70〉」は、パッケージデザインを春夏向けに刷新。アイス飲用を訴求する春夏向けのパッケージは、リニューアル前の「カカオ70」の展開を含めても初めての挑戦となる。

“ヨーグルトで手早く作れる!”のアイコンも新たにあしらい、アイスココアの新提案を行う。

この新提案は朝食施策の一環で「ココアの飲用を健康習慣として定着させるためには続けられることが大事で、カカオがスーパーフードであるという事実に紐付けて朝食にカカオを手間なく簡単に取り入れることを訴求していく」考えが根底にある。

朝食施策では“スーパーフード・カカオで朝食を超食(スーパーフード)に。”をメッセージに掲げ、トースト・ヨーグルト・バナナなどの朝食にココアを足すだけで健康価値を高められることを伝える。

その際、消費者への理解を促進するために有名人を起用したWEB動画を多方面で配信していく。

店頭ではクロスMDを提案してエンド棚での露出拡大も図る。

「グラノーラ、クラッカーなど朝食のチラシで採用の高い商材と組み合わせてクロスMDを告知できるようにアレンジレシピを10品以上新たに考案した」と意欲をのぞかせる。

商品面では、「カカオの力」に加えて「牛乳で飲むココア」と「セノビー」のパッケージも刷新する。

健康価値の訴求強化を念頭に「牛乳で飲むココア」では鉄分を訴求するアテンションを商品名の近くに配置し、「セノビー」ではシニアや大人の飲用意向にも応えるため“大人も嬉しいカルシウム補給”の文言を追加した。

5月と6月には「牛乳で飲むココア」で昨年、おうち時間の楽しみ方提案としてWEBで発信した“ココアカフェ”を継続。昨年展開したインスタ映えする4品に加え、新たなスペシャルカフェメニューを提案すべく鋭意開発中だという。

「バンホーテンのプロテイン ココア」(片岡物産)
「バンホーテンのプロテイン ココア」(片岡物産)

「バンホーテン」を展開する片岡物産も、ココアの健康価値に注目が集まっていることを受けラインアップを拡充。

2月24日に、プロテイン特有の臭みもなくタンパク質を摂取できるスティックココアの新商品「バンホーテンのプロテイン ココア」を発売開始した。

これに伴い好調なスティックタイプの勢いを加速させるべく、既存のスティックココア4品をリニューアル発売。パッケージ変更に加えて、中身は水溶性を強化。冷たい水や牛乳により溶けやすくしてアイスココアが簡単に作れることを訴求していく。

これまでの手応えとしては「バンホーテン ハイカカオ72%」(190g)が挙げられ、9-11月の需要期の販売金額は40%増を記録した。

同商品は「バンホーテン ピュアココア」を72%配合した甘さ控えめのビターで濃厚な味わいが特徴の調整ココアで、1杯あたり食物繊維5.7g、カカオポリフェノール720mgが摂れる設計になっている。

昨年3月に発売したスティックタイプの「バンホーテン ミルクココア糖質60%オフ」も好調。「家事や仕事の合間で甘いものが欲しくなった時などに糖質やカロリーを気にせず楽しめるということでご好評をいただいているとみている。前身商品と比べると1.7倍程度伸びで推移している」という。

「ブレンディ とけた!」シリーズ(味の素AGF)
「ブレンディ とけた!」シリーズ(味の素AGF)

スティックでトップシェアを握る味の素AGF社は、春夏限定の「ブレンディ スティック 冷たい牛乳で飲む」シリーズを再発売。「クリーミーカフェオレ」「クリーミーココア・オレ」「クリーミー抹茶オレ」「クリーミー紅茶オレ」の4種類のうち「クリーミーココア・オレ」のみ中身を刷新し溶けやすさを強化した。

昨年11月2日からEC限定で発売している「ブレンディ とけた!」シリーズで、「いちご・オレ」とともに「ココア・オレ」をラインアップ。

2品とも、カルシウム・鉄・ビタミンDといった子どもの成長に必要な成分を含んだスティックタイプの栄養機能食品で「計画を上回って推移している。お子様向けだが親子でおいしく飲まれているというコメントもいただいている」(山本倫子ECビジネス部商品開発グループ長)という。

一方、3月1日の販売を再開した麦芽飲料「ネスレ ミロ」は好スタートを切った。「3月の販売再開後、好調に推移しつつ安定供給もできている」(ネスレ日本)と語る。

新しい動きとしては「ネスレ ミロ」を活用したアレンジレシピが好評。「当社でも期間限定イベント『ミロ スタンド』で新しい楽しみ方としてフルーツと『ネスレ ミロ』の組み合わせを提案したが、様々なアレンジメニューを楽しむ方も増えてきている」と述べる。

「日東紅茶 朝の大麦ラテ」(三井農林)
「日東紅茶 朝の大麦ラテ」(三井農林)
三井農林は、近年の「ミロ」の動きを追い風にすべく、栄養豊富なイメージの高い大麦に着目して昨年発売した「日東紅茶 朝の大麦ラテ」の配荷拡大を図る。

同商品食物繊維、6種のビタミン、カルシウム、鉄分入りで、牛乳や豆乳に溶かして飲むだけで、各栄養素をバランス良く摂取できるように仕立てられている。

作田祥司企画グループ商品企画・マーケティングチーム商品企画ユニットユニットリーダーは「ビタミンの中でもビタミンB群を多く含み、各栄養素をバランス良く摂取することができる」と説明する。