3月のチャネル別実績 コロナ特需が一巡 業態で明暗くっきり

3月度のチャネル別概況が出揃った。新型コロナウイルス感染拡大から一年が経過。前年のコロナ特需の反動でチェーンストア、スーパーマーケット業界の3月統計は前年を下回ったが、一昨年対比では依然高い水準。感染拡大が続く中で生協の宅配もプラス成長が続く。コンビニは13か月ぶりに前年を上回ったが、客数は減少傾向。百貨店、外食は先月の緊急事態宣言解除で回復が期待されたが、コロナ前には程遠く、一層厳しい状況に直面している。

チェーンストア 既存店1.3%増

3月度のチェーンストア(CS)総販売額(56社1万1千789店)は、全店ベースが前年比105.5%(1兆906億3千639万円)、既存店ベース101.3%。衣料品(全店114%)、住関品(同109.1%)の反動増により、総販売額は全店、既存店とも前同を上回った。

食料品は、全店ベース103.7%(7千397億1千31万円)、既存店99.2%。食料品の内訳は、その他食品(加工食品.酒類)が全店100.6%(3千808億3千841万円)、既存店96.4%、惣菜全店110.7%(968億8千562万円)、既存店109.6%。生鮮3品は農産が全店106.4%(既存店101%)、畜産同100.6%(同95.8%)、水産同112.5%(103%)。

その他食品は、飲料、アイスクリーム、ドレッシング、嗜好品、シリアル、豆菓子、和.洋菓子、酒類などの動きは良かったが、食パン、牛乳、ヨーグルト、米、パスタ、冷食、インスタントラーメン、乾麺、カレー・スープ類、ホットケーキミックス、調味料、缶詰など、前期特需のあったカテゴリーは前年割れとなった。

惣菜は、温惣菜では揚げ物、焼物、焼き鳥などの動きが良かったほか、要冷惣菜は和.洋惣菜とも好調に推移。弁当、寿司もまずまずの動きに。

スーパー 特需反動で前年割れも

全国スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会のスーパー団体は、21年3月スーパーマーケット販売統計調査を発表した。統計は270社、8千233店舗。

3月度の総売上高(既存店)は4.1%減。食品計4%減、生鮮計2.5%減、惣菜3.4%増、日配4.6%減、一般食品8.2%減など。前年のコロナ特需の反動で、惣菜を除く各部門とも前年を下回った。

なお、19年比では、総売上高は全店5.4%増、既存店3.2%増。各部門の既存店実績は食品計4%増、生鮮計5%増、惣菜3.4%増、日配4.7%増、一般食品2.3%増。コロナ前との比較では、巣ごもり需要を背景に各部門ともベースが上がっている。

生協 宅配好調、14か月連続プラス

日本生協連がまとめた全国65主要地域生協の3月度供給高は前年比2.2%増と14か月連続で前年を上回った。

内訳は店舗5.9%減、宅配5.8%増、その他25.5%増。宅配のうち、個配は8.3%増。総供給高に占める割合は店舗30.9%、宅配66.6%(うち個配48.6%)、その他2.5%。店舗は前年のコロナ特需の反動で前年割れ。宅配は引き続き前年を上回った。

なおコロナ発生前の19年対比では、総供給高14.7%増、店舗3.4%増、宅配21.7%増(個配26.5%増)、その他96%。

コンビニ 13か月ぶりプラス

日本フランチャイズチェーン協会が発表した3月のコンビニ売上高は、既存店ベースで前年同月比1.9%増(8千617億2千万円)。新型コロナの影響が表れ始めた前年同月から一巡し、13か月ぶりのプラスとなった。

4都県で緊急事態宣言が延長されたことから客数は3.5%減(12億5千944万2千人)と引き続き減少した一方、客単価については5.6%増(684.2円)と続伸した。

全店ベースでは、売上高2.4%増(8千982億6千3百万円)、客数2.9%減(13億1千844万6千人)、客単価5.5%増(681.3円)、店舗数0.2%増(5万5千828店)。

既存店のカテゴリー別売上高は、日配0.4%減(構成比35.8%)、加工食品(0.9%減)、非食品5.0%増(32.3%)、サービス13.8%増(5.5%)。生鮮、惣菜、寿司、冷凍食品、デザート、酒類、マスクなどが好調だった。

外食 飲食業態4割減、危機的状況

日本フードサービス協会がまとめた3月度の全店売上高は前年比2.9%減となった。総店舗数は4.4%減、客数5.7%減、客単価3%増。コロナ禍から1年が経過し、見かけ上の落ち込み幅は小さくなったが、19年比では19.6%減と依然として厳しい状況が続いている。

特に飲酒業態(パブ/居酒屋)は前年比39.7%減、19年比67.9%減。東京・大阪・京都・兵庫の4都府県では3度目の緊急事態宣言が発令され、周辺都市部でも飲食店での酒類提供中止、大型施設の休業要請により、GW期間中の売上げが立たず危機的な状況を迎えている。

3月度の業態別売上高は▽FF3.9%増▽FR9.7%減▽パブ/居酒屋39.7%減▽ディナーレストラン1.1%増▽喫茶6.6%減▽その他2.7%減。

FFは洋風9.1%増、和風2.6%減、麺類7.3%減、持ち帰り米飯/回転寿司9.4%増、その他5.9%減。洋風はテイクアウトが堅調だった。持ち帰り米飯/回転寿司はテイクアウトに加え、一部業態においては店内飲食の回復も寄与した。

FRは洋風12.1%減、和風7.6%減、中華4.4%減、焼き肉9.7%減。焼き肉は夜間営業の短縮が響いた。

パブ.居酒屋はパブ・ビアホール21.9%減、居酒屋42.1%減。酒類提供時間の短縮や休業が長引き、店舗数も11.2%減、15.7%減と全業態で唯一、二ケタのマイナスとなった。

ディナーレストランは前年の反動で1%増と回復したが、一昨年比では約4割減。喫茶は地方を中心に客足は回復傾向だが、都市部はビジネス街の戻りが遅れている。

なお、一昨年比の実績は別表の通り。テイクアウト需要を取り込んだ洋風FFがプラスとなった以外は、厳しい状況が続く。

百貨店 回復もコロナ前の水準遠く

日本百貨店協会が発表した3月の全国百貨店売上高は、前年同月比21.8%増の約4千76億円。時短営業や休業が相次ぎ33.4%減となった昨年3月に比べて回復が進み18か月ぶりのプラスとなったが、前々年比では19.1%減とコロナ禍によるマイナス基調から脱していない。インバウンド売上高も同様の傾向だ。

地区別では、都市部全体で25.0%増。東京18.5%増、大阪31.5%増、名古屋35.2%増といずれの都市もプラス。その他の地区全体では14.6%増となった。

商品別では、食品は菓子を中心に回復し26.9%増。衣料品24.0%増、身の回り品41.5%増、雑貨20.7%増、家庭用品23.1%増。

3月の外食市場動向
3月の外食市場動向