炭酸飲料 甘いのは嫌、だけど無糖は物足りない…狭間のニーズ狙う「サントリー天然水」と「三ツ矢サイダー」

甘い炭酸飲料は飲みたくない。だけど無糖の炭酸水では物足りない――。サイダーなどの有糖炭酸飲料と無糖炭酸水との間の領域に向けて「サントリー天然水」(サントリー食品インターナショナル)と「三ツ矢サイダー」(アサヒ飲料)から相次いで重点商品が発売された。

サントリーは3月16日に「サントリー天然水スパークリング 贅沢しぼり グレープフルーツ」を新発売。無糖炭酸水が持つ健康価値も考え、砂糖を使わずに果汁量を同シリーズ史上最も多く使用。加えて、果汁由来の果糖と新素材として柑橘オイルを採用して、ゼロカロリーでありながらもグレープフルーツ由来の甘みが感じられるのが特徴となっている。

その手応えは上々。取材に応じたサントリーの平岡雅文ジャパン事業本部ブランド開発事業部課長は、初動の販売動向について「有糖炭酸飲料ユーザーの『本当は甘くないのを飲みたい』といったところにうまくポジショニングできた。従来の炭酸水に比べ、そういった方々の流入が多く見られて計画通りでスタートできた」と語る。

今後は、改廃が激しい有糖炭酸飲料市場の動向も加味して、5月25日に新フレーバーを投入するなどシリーズ展開していく。

「三ツ矢サイダーレモラ」(アサヒ飲料)
「三ツ矢サイダーレモラ」(アサヒ飲料)

一方、アサヒは「三ツ矢サイダーレモラ」を本格展開して有糖炭酸と炭酸水の中間領域に攻め入る。同社調べによると、約3億ケースと推定される炭酸カテゴリーのうち、3割強が有糖炭酸と炭酸水の併飲ユーザーであることが判明。

この併飲ユーザーに向けて、過去複数回にわたり刷新し昨年も限定復刻シリーズとして販売した「三ツ矢サイダーレモラ」を3月23日に発売開始した。

「甘すぎることに不満を感じるユーザーがいることをキャッチして、そのニーズに対応する新価値商品となる。中間領域には過去いくつか挑戦してきたが、『レモラ』は甘さを感じられるもののレモンとライムでスッキリとした後味が実現できた」(相生宏之常務執行役員マーケティング本部長)と胸を張る。

今後は、単独のTVCMを投下するなど積極的なマーケティング活動を展開して「三ツ矢サイダーレモラ」単独で年間300万ケースの販売を目指す。炭酸水の中でも、レモンフレーバーで「無糖(プレーン)では物足りない」ニーズに対応しているとみられる。

「ウイルキンソン」(アサヒ)、「サントリー天然水スパークリング」のレモンフレーバー商品に加えて、3月29日にポッカサッポロフード&ビバレッジが「キレートレモン 無糖スパークリング」をリニューアル発売した。

「キレートレモン無糖スパークリング」㊧(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)と「キリンレモン 無糖」(キリンビバレッジ)
「キレートレモン無糖スパークリング」㊧(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)と「キリンレモン 無糖」(キリンビバレッジ)

同商品は、レモン1個分に相当する約30㎖の果汁を入れつつ無糖でカロリーゼロに仕立てた無糖果汁入りの微炭酸飲料となっている。

キリンビバレッジも炭酸水「キリンレモン 無糖」の中味とパッケージを刷新し、4月20日から発売する。同商品は「キリンレモン」同様に瀬戸内レモンエキスを使用し、レモンのさわやかな香りと炭酸の刺激が特徴。カロリーゼロで、純水の強炭酸仕上げになっている。

昨年6月に発売開始したところ、年間目標60万ケースを1割以上上回る約67万ケースを販売した。