イオン PB売上を5年で倍増へ 直接販売など増えボーダレス化する業態 「商品そのものがキーワードに」

イオンは、25年2月期を最終年度とする5年間の中期経営計画を掲げ、プライベートブランド(PB)商品の売上げを5年後に倍増させる考えを明らかにした。

9日発表した吉田昭夫社長は「PB商品の売上げを現在の2倍以上の2兆円を目指していく」と意欲をのぞかせる。その背景として、業態のボーダレス化を指摘。「リアルでの業態の垣根を越えた競争に加えて、ネット企業、さらにはメーカー・生産者が直接販売するD2Cの流れなど境界線がなくなりつつある中、商品そのものがキーワードになる」と説明する。

PB商品は「トップバリュ」「ローカルPB」「専門PB」の3つの領域で強化していく。「トップバリュ」は、独自価値を追求するブランドとしてナショナルブランド(NB)が取り扱っていない領域と機能を追求。「われわれにしかできない商品が不足している状況。売場を持つわれわれにとって、お客さまのご意見を商品に反映させられる領域で、ここに利益拡大のポテンシャルがあると考えている」。

一方、消費の二極化が今後も続いていくとの見方から、価格志向には「トップバリュ ベストプライス」で対応していく。「われわれの肌感覚としては、昨秋くらいから価格感度が上がったと認識しており『ベストプライス』が非常に伸びている。コロナの環境が急激に変わることはないという前提で、消費は今後も二極化するとみている」。

ローカルPBは、地域の事業会社が主体となって開発するものとなる。「地域で重要な食における独自価値の創造に向けてはプロセスセンターの活用がカギとなる。店舗のインストア加工業務の合理化という視点のみならず、いかに外食と肩を並べることができるデリカを生み出す機能へ変換できるかという着眼点で取り組みを進めていく」。

ローカルPBの好例としてはイオン東北のにぎわい東北商品を挙げる。地域の生産者から鮮度の良い状態で直送される生鮮品のみならず、原材料としてデリカへの活用、東北地場メーカーとの共同で加工品として販売するなどしてラインアップを拡大。商品の改廃を繰り返しながら300SKUを取り揃え、100億円の売上げを超える規模に成長している。

今後も「イオンにしかない良い独自商品として店舗の魅力を高めて収益に転換する。同時に事業を通じた地域産業の活性化に貢献していく」との考えの下、ローカルPBを強化する。

専門PBは、ヘルス・ビューティケア(H&BC)やリカーなど専門性の高い領域の商品開発を加速させる。