UCCがライバル招き異例の展示会 苦境の外食産業へ業界一丸で再成長を後押し

苦境の外食産業を業界一丸でサポートする機運がまた一つ出始めた。UCCグループで業務用サービス事業を展開するUCCコーヒープロフェッショナルは6日、東京流通センター(東京都大田区)で業務用食品の展示商談会「UCC Smile Festa2021」を開催し、異例の対応として競合の卸企業にも案内を出し来場を呼びかけた。

この日会見に臨んだ川久保則志社長は「今年は(外食産業などの)お客さまの再成長を後押しする年。少しでもお役になれることを切に願い、日頃は競争している卸の方々も招待した。コロナ禍の展示会運営でどういうところに注意すべきかなど、参考になることがあればお持ち帰りいただきたい」と語った。

UCCコーヒープロフェッショナルの川久保則志社長
UCCコーヒープロフェッショナルの川久保則志社長

コロナの影響で延期して昨秋開催した前回も、マニュアルなどを競合に提供したという。その狙いは、外食産業への貢献とともにコーヒービジネスの裾野拡大にある。

「コーヒーブースをしっかり見てもらい、オペレーションがそんなに難しいものではないことを知っていただきたい。北欧や米国に比べると日本の1人当たりの飲用杯数はまだまだ少なく、コーヒーはもっと伸びるマーケットだと考えている」と述べた。

卸の体質強化を目的に、共同物流など競合卸とのアライアンスも視野に入れる。「卸は在庫を抱え、お客さまからオーダーを受注しリアルでお届けするビジネス。倉庫の集約化や共同配送が進んでいる食品メーカーのように、卸もどうあるべきかを考えないといけない。このような環境下だからこそ(アライアンス)できるのではないかと強く思っている」との見方を示した。

原価約500円の朝食ビュッフェ提案(UCCコーヒープロフェッショナル)
原価約500円の朝食ビュッフェ提案(UCCコーヒープロフェッショナル)

今回、展示の目玉の一つは、新しい生活様式に適応した原価約500円の朝食ビュッフェの提案。「プロダクト区分のブース設計を見直し、お客さまの目線に合わせてシーン・ソリューション別に展示する」(橋本樹一郎取締役)との考えの下、サラダ、スープ、フードとともにコーヒーをそれぞれ提案している。

テイクアウト需要には「To Go 専門カフェ」を提案。「客単価×客数の飲食店業界の方式だけでは前年をクリアできないと多く方が認識しており、プラスαの売上げと利益を創出するためにテイクアウトや物販を強く紹介している」とし、コーヒーの専門性が高い業態にはケーキや抽出器具などを、専門性が低い業態にはレジ横スナックを提案している。

「To Go 専門カフェ」では業態別に提案
「To Go 専門カフェ」では業態別に提案

物販強化の一環としてオンライン施策にも注力。オンラインで業務用食材が注文できるECサイト「フーヅフリッジ」やUCCコーヒーアカデミーオンラインセミナー、ユーザーの嗜好を分析・把握し毎月好みのコーヒーを届ける「My COFFEE STYLE」を紹介している。

同展示会は、今回の東京会場を皮切りに名古屋・大阪の各会場で2日間ずつ開催される。

3月1日からはオンラインで展示商談会の専用サイトを開設し、「4月5日現在で1千300人を超えるお客さまにログインしていただいた」という。