ウソのようなホントの話

約50年前に出版された本が再注目されているという噂を耳にし、遅ればせながら服部正也著「ルワンダ中央銀行総裁日記」を読んだ。著者は昭和39年に独立間もないルワンダの中央銀行総裁として日本銀行から派遣される。

▼当時のルワンダは独立したとはいえ財政や経済は外国や外国資本に依存しており、財政赤字と貿易赤字を抱える政府には解決できる実務者がおらず、大統領からすべてを丸投げされるという作り話のような実話だ。銀行業務や財政政策についての知識がなくとも読み物として十分に楽しめる。

▼また、ところどころにクスッとするエピソードが登場する。10年間同国でコーヒー加工を営んだインド人商人は「この国では正直に商売をやっていては利益がでない。無知な白人の取引業者にコーヒー豆の歩留まりをごまかし差額で利益を得ていたが、嘘と不正は自分の宗教に反することなので、工場を異教徒に売り払い手を引きました」と胸を張る。

▼著者は「どうして10年も自分の宗教に反することを続けられたのかは聞き逃した」と皮肉たっぷりに紹介した。