創業75周年 踏襲からの発展へ カナカン 谷口英樹社長

カナカンは2月8日に創業75周年を迎えた。節目となる今年はスローガンに「踏襲からの発展」を掲げ、過去培った慣習を忘れずさらに進化することで地域卸としての強みを打ち出し、全国卸との差別化を図る考えだ。谷口英樹社長に直近の業績や取り組み、新年度方針などについて聞いた。

  ◇  ◇

管轄エリアはこの冬に豪雪に見舞われたが、メーカーの協力もあり食のライフラインを整えることができた。しかし当社も御多分に漏れずコロナ禍が影響して、特に外食と業務用酒類がダメージを受けた。3月期第3四半期は売上高が前年比98%、経常利益70%ほどになった。外食はルートセールスが中心で物流費が固定化しているのと、コロナ禍とはいえ物流費高騰が続き、損益分岐点がずいぶんと上がっていることが原因だ。手をこまねいて見ているわけではなく、発送頻度の見直しや発注のデジタル化を進めて効果を出しつつある。

今期業績は第3四半期と変わらず着地する見込み。3月以降は外食部門が上がりそうだが、一昨年対比では厳しい。好調なドライグロッサリー、菓子などでは既に反動が始まっている。経常も今から上がる要素は少ない。次年度目標は105%、一昨年比で102~103%を計画している。

今年のスローガンは「踏襲からの発展」。踏襲からの「決別」とは言わずに「発展」とした。75年間地域卸として存続できたのは踏襲してきた業務手順やルール、やり方があるからこそ。コロナ禍で図らずともそれらが失われつつあるが、受け継いできたものを守りバージョンアップしたいと、不易流行ではなくその表現を使った。地域のお客さまはいま能登半島の先にもドラッグストアなどが進出してきて大変苦労されている。全国卸との差別化を進める意味でも、そのお客を応援し、地域とのつながりを大切にする企業でありたい。

コロナ禍で積極的に出にくい今だからこそ、営業のレベルアップに取り組んでいる。メーカーの協力を得て社内勉強会やコンクールを実施し、売場づくりに生かしている。実際にその成果が出て商品売上げが3倍になったスーパーもあって、こういう地道なことも必要だと気づいた。

物流の最適化、効率化面では来春、新潟県長岡市にセンターを竣工する予定。新潟市場は伸びていて、3~4年前に建てたセンターが飽和状態になってきた。新センターは自動倉庫を入れて最新の設備にしたい。

トモシアの統一システムが今夏に完了する。当初は旭食品のシステムが中心となったが、企業によって求めるものが異なり、当社が求めるものと乖離があった。途中から当社システムの良い部分も採用してもらい、最終的に3社で最適なシステムを検証する。また金沢にあるユニーのセンターが空いたので、そこに当社酒類営業所の一部や業務委託を移管。配送頻度も含めて見直し、お互いがWin―Winになるようセンターづくりを進めている。