アサヒグループ食品 多様化で「唯一無二の食品会社に」 新体制、第2ステージ牽引へ 川原浩氏が社長就任

アサヒグループ食品の代表取締役社長に17日付で川原浩専務が就任した。前職のカーライル・ジャパン・エルエルシーでは多くの投資先企業の経営に関わり、「会社が生み出す価値について自分なりの考え、価値を創り出す会社に携わりたいと思っていた」と言う。

「『おいしさ+α』をもっと身近に」という長期ビジョンのもと、今期は「『心とからだの健やかさへのお手伝い』を通じて、お客様の生活を豊かにする提案を行うこと」を事業方針に掲げるアサヒグループ食品。

川原社長は、これを実現するためのポイントは「加速化と多様化だ」と指摘する。「世の中の変化が加速化し、まずはこの変化を先取りする仕組みをつくる」と抱負を述べた上で、「社会が成熟化し、インターネットの浸透により多様化が進む中で、当社にはミンティアやアマノフーズ(みそ汁)、1本満足バー、ディアナチュラ、和光堂(ベビーフード)、バランス献立・バランス献立PLUS(シニア向け食品)などたくさんのブランドがあり、赤ちゃんから高齢者までさまざまなライフステージ、多様化するライフスタイルに提供できる商品を保有しており、これを事業戦略に生かす」考えだ。

「一つの企業で、これだけ幅広い消費者に商品が提供できるのは当社をおいてほかになく、唯一無二の食品会社だ。『心とからだの健やかさへのお手伝い』ができるチャンスに満ちている。そのため、どこにどういった強さで価値を提供するかが勝負だろう。環境変化を先取りし、社員と一丸となって戦略を進め、社員の成長を助け、社員が誇れる職場になるよう力を尽くす」方針だ。

2016年に専務に就任し、17年から社長を務めてきた尚山勝男前社長は「4社(アサヒフード&ヘルスケア、和光堂、天野実業、カルピスウェルネス)のシナジーをどう生み出すかが最大課題だった」と言う。そこで5年の間にブランド力を高め、粗利ミックスのバランス、ポートフォリオの変革などにより収益拡大に取り組んできた結果、20年の事業利益率は新型コロナの影響で8.9%まで落としたが、19年には11.1%を達成。「創設期である第1ステージの課題は何とかクリアできた」と振り返る。

今後は「次のステージへジャンプアップする時期で、それには顧客やマーケット変化へのスピードが重要」とし、「変化に追いつくには従来の延長線では新しい価値提案はできない。そういう意味で川原新体制に期待するとともに、新社長は第2ステージを牽引していける人材だ」と語った。

川原氏は、90年慶應義塾大学経済学部卒業後、同年日本長期信用銀行(現新生銀行)入社、99年チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン証券)、2001年ゼネラル・エレクトリック・インターナショナル・インク、06年カーライル・ジャパン・エルエルシー、11年同社マネージングディレクターなどを歴任し、20年にアサヒグループ食品専務取締役兼専務執行役員。1966年7月7日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身、54歳。