ユーザー6割がカフェラテの甘さに罪悪感 解消へ独自価値「ファイア ワンデイ」 キリンビバレッジ

キリンビバレッジのペットボトル(PET)コーヒー「ファイア ワンデイ ブラック」は昨年、前年比約10%増の販売実績を記録した。

今年はさらなる成長を図るべく、「ワンデイ ブラック」の好調要因でもある独自価値に微糖の要素を取り入れた新商品「ワンデイ ラテ微糖」を発売し、ユーザーの約6割が甘さに罪悪感を抱いているというカフェラテ市場に挑む。

まず「ワンデイ ブラック」の独自価値について、昨年は時間をかけて飲まれることを想定したコーヒー感と飲みやすさを両立し常温での味わいを追求した中味設計や、チビダラ飲みに対応した600㎖の大容量ボトルによる経済性が受け入れられたという。

取材に応じた増田健志マーケティング部部長代理ブランドマネージャーは「コロナ禍で急伸したレギュラーコーヒーなどの手いれコーヒーの伸びが一服して、PETコーヒーが復調傾向にある。その中で『ワンデイ』は在宅ワークのONタイムに選ばれていることが一つの成長要因」と指摘する。

ONタイムに求められるコーヒーニーズの変化についても触れる。「10分程度休憩するといった『OFFからON』という瞬発的なONではなく、仕事をしながら『緩やかなON』から『強めのON』へ移っている」との見方を示す。

この現代のONモードに対し、嗜好性と止渇性を兼ね備えた中味設計や大容量が合致。昨年は「量販店さまで売られるPETのブラックコーヒーの中で最も高いリピート率を記録し、ケース販売もトップクラスとなった」と振り返る。

増田健志マネージャー(キリンビバレッジ)
増田健志マネージャー(キリンビバレッジ)

コスト意識の高まりから大容量が響き、炭酸、緑茶、ミネラルウォーターの止渇系から多くのユーザーが流入した。「競合商品とは異なる層のお客さまを獲得でき、間口(飲用層)が拡大した」という。

課題は、競合の半分以下とする認知率にあるとし、21年は新商品「ワンデイ ラテ微糖」を加えた2品体制で認知率を高めてトライアルを増やし、高いリピート率で売上拡大を図っていく。

「ファイア ワンデイ ラテ微糖」はPETのカフェラテに微糖という健康軸を提案したもので、スッキリとした甘さで飲みやすい味わいと直火コーヒーの香ばしさを両立させた点が特徴。

着目したのは、PETのブラックコーヒー市場とともに伸長しているPETのカフェラテ市場。「缶・PETのRTDコーヒー市場の中でも、PETのカフェラテは経年的に成長して現在、最もお客さまが多い市場となっている」とみている。

この市場のとらえ方に、コロナで加速する健康意識の高まりを加味した。「調査したところ、PETカフェラテユーザーの約60%がカフェラテの甘さに罪悪感を抱いていることが分かり、RTDコーヒーの最大間口であるラテ市場に微糖という健康軸を提案していく」。

微糖の甘さについては試行錯誤を重ねたという。「幅広いラテユーザーに飲んでもらうためには、微糖のスッキリさと、ある程度のおいしく感じる甘さが必要で、試行錯誤と調査を何度も繰り返し、絶妙にそのバランスをとることができた」と胸を張る。

微糖ではなく、カフェラテの微糖を訴求する狙いについては「PETカフェラテの間口はPET微糖コーヒーの約4倍あり、カフェラテはコーヒー以外にも幅広いカテゴリーからの流入が多い。微糖として売り出してしまうと、コーヒーユーザー以外は微糖にあまり馴染みがなくなってしまう。一方、カフェラテは味が想像しやすく誰でも手に取りやすい」と説明する。

PETのブラックとカフェラテ市場には併買率が30%以上ある点にも商機を見いだす。「『ワンデイ』の独自価値を生かした健康軸のラテの微糖を投入することで、流出が見られるカフェラテ市場を活性化できる」と自信をのぞかせる。

パッケージは、マイボトルをモチーフにしたゴールドベースのデザインを採用し「シルバーの色調の『ワンデイ ブラック』と並べるとものすごく目立つようになっている」。600㎖のアイコンをあしらい、これに伴い「ワンデイ ブラック」にも新たに600㎖のアイコンを配してパッケージを刷新した。

「ワンデイ ラテ微糖」のメーンターゲットは30~40代の働く男性。俳優の桐谷健太さんを起用したTVCMを1千500GRP以上出稿し、CMの投下に合わせてデジタル広告や2品のトライアルを促す店頭販促を展開している。