国分グループ 食の価値創造No.1企業へ「共創圏」を構築・拡大 第11次長期経営計画

国分グループ本社は今期から「第11次長期経営計画」(2021~25年)をスタートさせた。第10次長計で掲げた「モノ+コト売り」と「地域密着全国卸」のビジネスモデルをさらに進化させ、食にかかわるあらゆる事業者および生活者の真のニーズを主体的にとらえ、社内外の人々と融合した「共創圏」を構築・発展し、食の価値創造No.1企業を目指す。

11次長計のビジョンは、食のマーケティングカンパニーの進化~共創圏の確立~。サブタイトルには、共創圏の確立というこれまでにない、新たな構想を掲げた。

共創圏とは、10次長計で顧客とした食を扱うすべての事業者という枠を広げ、川上から川下までのバリューチェーン全域で、国分グループの仕入先・販売先だけでなく、生産者や物流会社などの事業者、行政、生活者と従来の取引・取り組みの枠を超えて連携することで、新たな食の価値・事業創造を目指すネットワークと定義づけた。

5か年の定量目標は設けず、グループ共通の価値創造目標として

①顧客満足度№1
②コト売り比率(経常利益30~50%)
③共創圏規模(第3階層売上+1兆円、第4階層までの企業数+100件)
④従業員の仕事における幸福度の向上

――を指標として掲げた。

この目標達成に向けて、グループの基盤強化とSDGsの取り組みやデジタル化の推進をグループの経営計画に落とし込み、12の戦略の柱を策定。モノ売り・コト売りの2輪ビジネスの拡大では、本業である卸売事業の進化とコト売りによる収益基盤の再構築を進める。共創圏の構築では、業界リーダーポジションの維持・発展と食のマーケティングカンパニーの進化により、食の価値創造につなげる方針を示した。

さらに、価値創造の取り組みを担うエリアカンパニー(AC)、カテゴリーカンパニー(CC)が注力する推進機能として、ルート・カテゴリー・事業の3分野で戦略領域を設定。ルートでは、「ドラッグストア」「メーカー(加工場含む)」「EC/宅配」「フードサービス」「中食」を戦略領域と位置付け、モノ売り・コト売りを組み合わせて顧客の求めることを実現する。

カテゴリーでは「低温」「フレッシュ・デリカ」「ヘルスケア・サステナブル商品」の各領域で、市場のニーズに合わせ新たなカテゴリーの発掘・開発を推進。各エリアで常温・低温が一体となった事業展開も加速させる。

事業では「物流」「製造卸」「海外産品調達・販売事業」「海外展開支援」「ITサービス」「マーケティング」の各事業で、モノ売り(売上総利益)とコト売り(役務提供)を増やすための取り組みを推進。計14の戦略領域は、AC・CCそれぞれが優先的に取り組む領域を見極め、ビジネスモデルを具体化させる。

国分晃社長(国分グループ本社)
国分晃社長(国分グループ本社)

國分晃社長は11次長計の方向性について、「環境が激変する中での計画策定だったが、それがアドバンテージとなりコロナ禍に対応した戦略を策定できた。10次長計で備えたフルライン・フルファンクション、地域密着全国卸の機能は、11次長計で掲げた共創圏のビジョンによって大きく可能性が広がる」と意気込みを語った。

11次長計に向けて、昨年から国分グループではオープンイノベーションによる新規ビジネスの展開を目指し、スタートアップやベンチャー企業と共創する「国分アクセラレータープログラム」を開始。食を起点とした地域活性化の取り組みや、ロボティクス・デジタル技術を持つスタートアップ企業との取り組みによる無人店舗システムの開発やサプライチェーン自動化に向けた実証実験が始まっている。先月には、中小食品メーカーの支援を行うヨシムラフードHD社と資本業務提携を締結するなど、共創圏構築に向けた取り組みを加速させている。食のバリューチェーン全体で1兆円規模の新たな価値をいかに生み出していくか、今後の展開が注目される。

なお、3日に開示した国分グループ本社の前12月期連結業績は売上高1兆8千479億円(前年比2.3%減)、経常利益102億円(同1.5%増)、当期利益57億円(同82.7%増)。11次長計初年度となる今期計画は、連結売上高は非公表、経常利益は125億円(22.5%増)を目指すとした。