家庭用食用油 1600億円市場に拡大 需要堅調も状況一変 コスト急騰で値上げへ

家庭用食用油の市場拡大が続いている。内食志向の追い風もあり、4―12月で金額9.6%増と伸長。通年では過去最高だった19年度の1,545億円を上回り、市場規模は初めて1,600億円台に到達する見通しだ。来期も安定成長が期待されるが、昨年後半から原料相場が急騰。一転して値上げの春を迎えている。

コロナ禍の内食志向に加え、食用油の健康性やおいしさが生活者に浸透し市場拡大を牽引した。かけるオイルなど新たな需要も広がり、5年連続のプラス成長は確実。内食化で基礎調味料は全般的に好調だが、その中でも食用油は1割増と伸長率は際立っている。

カテゴリー別では、年間400億円規模のボリュームを誇るオリーブオイル、キャノーラ油が堅調だったことに加え、ごま油が3割増と急伸。在宅機会の増加で食卓でごま油を使用する機会が増え、年間300億円を上回る一大カテゴリーに躍進し、市場全体を牽引した。

健康性とおいしさが注目されている米油も3割増。年間100億円規模のカテゴリーに成長し汎用油から付加価値品へのシフトも加速している。

オメガ3脂肪酸の健康機能が注目されているアマニ油・えごま油は春先のチラシ自粛の影響で、前年を下回っているが、夏以降は回復傾向。健康・美容ニーズでは、若い女性層を中心にMCTオイルの注目度が上がっており、今後さらなる需要拡大が期待されている。

来シーズンに向けては、春先の需要急増のハードルが高いだけに、1千600億円規模に拡大した市場の維持・定着がテーマ。健康とおいしさの両面で、生活者の食用油に対する期待は高まっており、需要面で大崩れはなさそうだが、昨年後半からの急激なコスト上昇への対応が課題となる。

原料相場は昨年後半から急上昇しており、製油各社は新年度に向けてkg20~30円以上の値上げを発表。コロナ禍の値上げとなるが、足元の原料相場は最高値に迫る勢いで上昇しており、早期の実勢化と、もう一段の引き上げが避けられない情勢となっている。