コーヒー、豆商品が好調 おうち時間の増加で“挽く”一手間に広がり

家庭用レギュラーコーヒーの豆商品が好調だ。スーパーや量販店で売られる家庭用レギュラーコーヒーは、豆が粉砕(グランド)された粉の状態か、1杯分ずつのドリップタイプ(一杯抽出型)で売られているのが一般的だが、おうち時間の増加に伴い「豆を挽くことから楽しむ」ニーズが高まっている。

インテージSRIによると、20年レギュラーコーヒーの販売金額は前年同期比10.9%増を記録。この中のサブカテゴリー別で販売金額構成比は10%に満たないものの、25%増と高い伸びをみせたのが豆商品だった。

一方、サブカテゴリーで11.2%増と伸長したのがドリップタイプなどの個包装タイプで、この動きから二極化の進行を指摘するのはUCC上島珈琲の渡邊志織嗜好品マーケティング部部長。

「在宅時間が増えて手間をかけて調理することがレギュラーコーヒーの消費も押し上げ、豆からいれてみたい人が増える一方で、簡単・時短ニーズでドリップタイプやバッグタイプが消費を伸ばしている」と述べる。

UCCの豆商品も「市場に準じて伸びている」とし、同社はECチャネルでのキャンペーン展開と「ゴールドスペシャル」(炒り豆)のサンプリングで豆商品の販売を強化している。

キーコーヒーの豆商品も好調に推移。同社の田中正登志マーケティング本部R&Dグループリーダーは「家庭内商品は軒並み大きく伸長した。中でも豆商品は、家でコーヒーを飲まれるときに「もう一手間加える」といったところが非常に受けており、母数はさほど大きくないものの、全体の伸びよりもさらに上のレベルで伸長している」と説明する。

この「もう一手間加える」ニーズを裏付けるものとしてコーヒー器具の普及を指摘するのは小川珈琲の村上祐一総合開発部長で、「4月からの緊急事態宣言が解除後、巣ごもり消費による豆商品の需要増は落ち着くと思っていたが、依然として高い伸長率を示し直近でも落ちていない。ミルなどの器具が行き渡り、それを使用してコーヒーを楽しむようなスタイルが根付いてきている感じがする」との見方を示す。
小川珈琲の豆商品は、前期(8月期)に二ケタ増となり、直近の20年9月―21年1月の4か月累計では1・5倍に拡大している。

豆商品の拡大と相関するように、ミルなどの器具でも好調な動きが見られる。大手器具メーカーに聞くと「巣ごもり・おうち時間の影響で、HARIO全体でコーヒーアイテムの販売数量は伸びている。ミルも伸びているアイテムが多々あり、国内国外を合わせて昨対以上の数量は出ている」(HARIO社)。

「ミル・グラインダーだけでなく、ミル付きの全自動コーヒーメーカーの販売も拡大している。昨年6月に発売開始した『アロマフレッシュサーモ』も想定以上の販売台数を記録した。全体的なトレンドとして、これまで喫茶店やカフェ、または職場で飲用されていたコーヒーが家庭に流れていると考えられる」(メリタジャパン)との回答が寄せられた。