売れ筋にも変化の風

食品業界は競争が多い。メーカーは常日頃、スーパーの棚を獲得すべく同業他社と競う。たとえ店の棚に商品が並んでも、安心はできない。献立に悩む買物客の関心を引き、手に取ってもらわなければ食卓に届くことはない。そして消費動向はこの1年で大きく変化した。

▼スーパーの精肉担当者に話を聞くと、冷凍肉の売上げが大きく伸びているという。容量の多さと保存性の高さ、さらには買い得感を求める最近の消費ニーズに合致したようだ。家庭では家飲みが定着し、おつまみ用に地方のグルメ、あるいはおやつにスイーツなどを取り寄せる場面も増えている。いずれも冷凍で届く商品が少なくない。日常使いの冷凍食品も引き続き頻繁に利用されている。

▼調味料メーカーの営業幹部が話していた。外食市場の低迷が続き、経営難の飲食店が調理現場に常備する調味料の数が絞られてきたと。そこで選ばれる商品でなければ、今後生き残っていくのは難しい。

▼家庭の冷凍庫と厨房の調味料棚。そこに至る過程は対照的だが、スペースをめぐる競争がこの1年で最も激しくなった場所と言えるかもしれない。