サクラ食品工業 ポーション、介護食の拡大へ滋賀県に新工場

サクラ食品工業(大阪府吹田市)はこのほど、滋賀県竜王町に新設した竜王工場で生産を開始した。15日にはスタートアップ式を開催。藤原拓社長は「従業員が誇れる一流の会社、一流の工場を目指し、力を合わせて邁進する」と強調した。

昨年11月に竣工した竜王工場の敷地面積は3万67㎡(約8千坪)。ポーションカップ、大口径カップの希釈飲料や調味料、ゼリーなどを製造する。同社はコーヒーシュガーの製造から始まり、ゼリーやガムシロップ、希釈飲料などOEMを中心に製造品目を広げてきた。

今回の新工場設立は78年に竣工した湖南工場(滋賀県湖南市)の老朽化と、ポーション商品や介護食向けカップゼリーなどの需要拡大によるもの。アセプティック(無菌)ラインを導入し、今後はキャップ付紙容器製品などの拡充にも力を入れる。

藤原社長は「将来的にコーヒーシュガーの拡大は難しいと考えられ、新しい事業に資本を集中していきたい」と話している。また、希釈飲料やゼリーなど自社ブランド商品の開発・製造にも注力する考えだ。

なお、スタートアップ式では味の素AGF・品田英明社長があいさつに立ち、「私どもとのお付き合いは今年でちょうど30年になる。これは長年両社が協力し合い、安全で安心な商品を提供し続けてきた証だと思っている。新工場はコンセプトの『竜翔王毅』の通り日本のみならず、世界の生活者に商品を供給する拠点となる。この新工場を強い味方として、われわれも国内外にますます拡販していく決意だ」と述べた。

式典であいさつする藤原拓社長(サクラ食品工業)
式典であいさつする藤原拓社長(サクラ食品工業)

藤原社長の話 新工場を立ち上げるにあたり、3つやりたいことがあった。1つが入り口にある桜の漆絵。先代が20年前、25周年の時に散らない桜が欲しいと購入したものだ。工場ができたら従業員にも見てもらおうと、会長室にあったのを持ってきて入り口に飾った。設計の第一歩はこの漆絵から始まった。それだけ思い入れがある。

2つ目が見学通路。湖南工場は管理上、多くのお客さまを迎えるのが難しかった。新工場は見学通路を作り、多くの方を招き見てもらいたいと思っている。

3つ目が食堂。私は数年前に耳の手術をし、それから半年間味覚を失った。その時に何が起こったかというと、活力がなくなった。コロナで味覚のことが言われているが、いかに食が大切か。われわれも食に携わっている以上、温かいご飯で従業員の労をねぎらいたい。

この工場の設立は大きな一歩だ。滋賀県と言えば近江商人。三方良しにちなんで、環境を加えた四方良しをわれわれの経営の指針、竜王工場行動の指針としたい。従業員が誇れる一流の会社、一流の工場へ向かい、力を合わせ邁進する。